これからわらわ達は籠城戦を張る。織田軍がやってきた所をここで向かえ討つのだ。
籠城をしているが故、簡単に落とせるであろうと奴らは思うであろうが。油断している所を三河から上がってきた今川の軍が後詰めとして戦う。後ろに対応している所を前からも反撃を開始し、こちらに勝利をもたらせる。
頭ではこうして勝ちを描けるが。それは夢物語と言う方が近いのかもしれないのぅ。
それ程、此度の戦はかなり厳しいものになろう。何度も回避してきた死だが、今回ばかりは免れぬものになるやもしれぬ。それほどわらわ達は窮地に立たされている。
人数も少数であり、想像通りに事が運ぶとも思えぬ。そして今川殿に頼り切った策であると言うのも、一因にある。
故に、幾らでもこの勝ち絵は、泡沫に消えてしまう。考えたくない最悪も、容易に訪れてしまう事もあるだろう。
此度の戦は、ひどく暗澹としている。
だが、どれほど不利に立たされていようとも戦わねばならない。戦わぬと言う選択肢はない。父上や母上、殺された家臣達の為にも織田を討つ。死がわらわを引きずり込もうとも、織田も道連れにして死ぬまでよ。
そしてわらわ達は持ち場につき、静かに、だが闘志を沸々と燃え上がらせながら、織田軍を待った。待っている間、これから始まる戦の事は勿論だったが。父上と母上の事、そして京の事を思い浮かべていた。
死ぬやもしれぬ時だからだろうか。京に謝る事も出来ず、酷い事をしたまま終わるとは心残りじゃと思うておるからだろうか。
確かに心残りではあるな。京に謝る事も出来ない事も、京が側に居ない事も。
いや、それは虫が良すぎると言うものか。あんな事をしたのだから、わらわには合わせる顔もないと言うのに。
フッと自嘲気味な笑みが零れた、刹那だった。
どどどっと馬が走る音が、わらわの耳に微かに入る。ハッと気がつくと、その音は次第に大きくなり、大地が揺れる音の様に変わっていく。
来たか・・・・。
緋天を掴み、外を一瞥すると。わらわは、目を大きく見張った。
美張一体を飲み込もうとしている荒波の様に、織田の軍勢が向かってきていたから・・ではない。寧ろ、織田の軍勢は想定通りの数であったと言える。わらわが愕然としたのは、別の理由だ。
籠城をしているが故、簡単に落とせるであろうと奴らは思うであろうが。油断している所を三河から上がってきた今川の軍が後詰めとして戦う。後ろに対応している所を前からも反撃を開始し、こちらに勝利をもたらせる。
頭ではこうして勝ちを描けるが。それは夢物語と言う方が近いのかもしれないのぅ。
それ程、此度の戦はかなり厳しいものになろう。何度も回避してきた死だが、今回ばかりは免れぬものになるやもしれぬ。それほどわらわ達は窮地に立たされている。
人数も少数であり、想像通りに事が運ぶとも思えぬ。そして今川殿に頼り切った策であると言うのも、一因にある。
故に、幾らでもこの勝ち絵は、泡沫に消えてしまう。考えたくない最悪も、容易に訪れてしまう事もあるだろう。
此度の戦は、ひどく暗澹としている。
だが、どれほど不利に立たされていようとも戦わねばならない。戦わぬと言う選択肢はない。父上や母上、殺された家臣達の為にも織田を討つ。死がわらわを引きずり込もうとも、織田も道連れにして死ぬまでよ。
そしてわらわ達は持ち場につき、静かに、だが闘志を沸々と燃え上がらせながら、織田軍を待った。待っている間、これから始まる戦の事は勿論だったが。父上と母上の事、そして京の事を思い浮かべていた。
死ぬやもしれぬ時だからだろうか。京に謝る事も出来ず、酷い事をしたまま終わるとは心残りじゃと思うておるからだろうか。
確かに心残りではあるな。京に謝る事も出来ない事も、京が側に居ない事も。
いや、それは虫が良すぎると言うものか。あんな事をしたのだから、わらわには合わせる顔もないと言うのに。
フッと自嘲気味な笑みが零れた、刹那だった。
どどどっと馬が走る音が、わらわの耳に微かに入る。ハッと気がつくと、その音は次第に大きくなり、大地が揺れる音の様に変わっていく。
来たか・・・・。
緋天を掴み、外を一瞥すると。わらわは、目を大きく見張った。
美張一体を飲み込もうとしている荒波の様に、織田の軍勢が向かってきていたから・・ではない。寧ろ、織田の軍勢は想定通りの数であったと言える。わらわが愕然としたのは、別の理由だ。



