そんな大軍が美張に攻め入る?しかも妖怪共がいると言ったか?烏合の衆である妖怪共が徒党を組んだだと言うのか?
そうなると、恐らく美張に攻め入ろうとしている数は万を越えるだろう。
兵を過半数失い、弱り、傷心しきっている姫達は相手取れないはずだ。美張の、いや、姫の危機だ。
俺が焦燥を感じた刹那、シューッと目の前の四足獣が姿を変え、妖怪としての人型に変わっていく。パタパタと扇を煽ぎながら、俺をにまにまと見つめる。
「お前をここに留めておくのも、実を言うとわらわの計算の内でなぁ」
ケラケラと笑いながら、パチンッと軽く指を鳴らすと、歪んだ空間の場面が切り替わり、甲冑を身に纏った姫の姿が映される。
その姿に思わず「姫!」と叫び、シューッと素早く妖怪としての人型の姿に戻った。
「兵力差では負けているのは確か。じゃが、わらわ達はどんな不利からも勝ちを掴んできた。故に、此度も勝てる!皆の仇を討つのじゃ、怒りをぶつけろ!憎しみをぶつけろ!美張の力を思い知らせてやれ!」
声高に叫ぶと、後ろから雄叫びが聞こえるが。その声の数で、織田軍の足下にも及ばないと分かる。
姫は、こんな少数で迎え討とうとしているのか。敵討ちに燃えているとしても、無茶が過ぎる。
「あんな少数で迎え討とうとしておるのは、今川の後詰めがあると信じてきっておるなぁ。哀れなものよぉ、幾ら待っても今川の軍は来ないと言うに」
「今川?後詰め?」
どうして今川が後詰めとなる?姫の助力は武田だろ?何故、今川の軍が話に出てくる?
唐突に出てきた名前に顔を曇らせていると、「此度の戦に武田が出張られては困るのでの」と軽やかに告げられる。
「愛らしいお姫様なものよ。目の前にあるもの全てを信じて、疑ると言う事をしないとは。否、それが人間と言うものか。目に見える物が全て、じゃからなぁ」
その暗示めいた言葉に、俺の頭は回転を速め、すぐに最悪な答えを導き出す。
まさか姫に武田という手を使わせない為に。コイツは今川になり、織田を討とうとでも唆し、武田という後ろ盾を姫の中から消したのか。
コイツの最悪な性格と、自分の思い通りに全てを進ませる怜悧的な思考を加味して考えれば。その考えは最悪だが、もっともな答えになる・・・。
最悪に突き落とされ、こんな所に居る場合ではないと思い知った。
「今から行っても間に合わぬぞ、御影」
そうなると、恐らく美張に攻め入ろうとしている数は万を越えるだろう。
兵を過半数失い、弱り、傷心しきっている姫達は相手取れないはずだ。美張の、いや、姫の危機だ。
俺が焦燥を感じた刹那、シューッと目の前の四足獣が姿を変え、妖怪としての人型に変わっていく。パタパタと扇を煽ぎながら、俺をにまにまと見つめる。
「お前をここに留めておくのも、実を言うとわらわの計算の内でなぁ」
ケラケラと笑いながら、パチンッと軽く指を鳴らすと、歪んだ空間の場面が切り替わり、甲冑を身に纏った姫の姿が映される。
その姿に思わず「姫!」と叫び、シューッと素早く妖怪としての人型の姿に戻った。
「兵力差では負けているのは確か。じゃが、わらわ達はどんな不利からも勝ちを掴んできた。故に、此度も勝てる!皆の仇を討つのじゃ、怒りをぶつけろ!憎しみをぶつけろ!美張の力を思い知らせてやれ!」
声高に叫ぶと、後ろから雄叫びが聞こえるが。その声の数で、織田軍の足下にも及ばないと分かる。
姫は、こんな少数で迎え討とうとしているのか。敵討ちに燃えているとしても、無茶が過ぎる。
「あんな少数で迎え討とうとしておるのは、今川の後詰めがあると信じてきっておるなぁ。哀れなものよぉ、幾ら待っても今川の軍は来ないと言うに」
「今川?後詰め?」
どうして今川が後詰めとなる?姫の助力は武田だろ?何故、今川の軍が話に出てくる?
唐突に出てきた名前に顔を曇らせていると、「此度の戦に武田が出張られては困るのでの」と軽やかに告げられる。
「愛らしいお姫様なものよ。目の前にあるもの全てを信じて、疑ると言う事をしないとは。否、それが人間と言うものか。目に見える物が全て、じゃからなぁ」
その暗示めいた言葉に、俺の頭は回転を速め、すぐに最悪な答えを導き出す。
まさか姫に武田という手を使わせない為に。コイツは今川になり、織田を討とうとでも唆し、武田という後ろ盾を姫の中から消したのか。
コイツの最悪な性格と、自分の思い通りに全てを進ませる怜悧的な思考を加味して考えれば。その考えは最悪だが、もっともな答えになる・・・。
最悪に突き落とされ、こんな所に居る場合ではないと思い知った。
「今から行っても間に合わぬぞ、御影」



