夕食は、夕刻を過ぎたばかりという早い時刻に設定されていたのだが、日が暮れて早々に、デザートを食べ終えたアリスが、椅子座ったまま寝入ってしまった。
桃宮の家では、普段から日が暮れる頃には、食事の片付けも済んでいる状態なのだそうだ。椅子で器用に眠っている娘を見た桃宮勝昭が、一旦部屋に運ぶ事を蒼慶に伝えてから、「やれやれ」と席を立った。
全員が食事を終えている状況の中、雪弥は一人黙々と食べ物を口に運び続けていた。後ろにいた宵月に、デザートのケーキが乗った皿を手渡されて、流れ作業のように食べ進めながら、娘に歩み寄った桃宮が、彼女を抱き上げる様子を見つめる。
「さぁ、行こうアリス」
そう優しく声を掛ける様子が、どうしてか目を引いた。今日共に過ごした中で、はじめて素の感情が滲んだ、彼の父親らしい声を聞いたような気がする。
それを見届けた蒼慶が、テンションが高くなったあと、結局は三十分足らずで眠ってしまった緋菜を、やってきた使用人の提案を断って寝室へと運んでいった。すぐに戻ってきた彼に、紗江子がアリスのを部屋に一人にするも可哀想なので戻ると言い、入れ違うようにして退出した。
桃宮の家では、普段から日が暮れる頃には、食事の片付けも済んでいる状態なのだそうだ。椅子で器用に眠っている娘を見た桃宮勝昭が、一旦部屋に運ぶ事を蒼慶に伝えてから、「やれやれ」と席を立った。
全員が食事を終えている状況の中、雪弥は一人黙々と食べ物を口に運び続けていた。後ろにいた宵月に、デザートのケーキが乗った皿を手渡されて、流れ作業のように食べ進めながら、娘に歩み寄った桃宮が、彼女を抱き上げる様子を見つめる。
「さぁ、行こうアリス」
そう優しく声を掛ける様子が、どうしてか目を引いた。今日共に過ごした中で、はじめて素の感情が滲んだ、彼の父親らしい声を聞いたような気がする。
それを見届けた蒼慶が、テンションが高くなったあと、結局は三十分足らずで眠ってしまった緋菜を、やってきた使用人の提案を断って寝室へと運んでいった。すぐに戻ってきた彼に、紗江子がアリスのを部屋に一人にするも可哀想なので戻ると言い、入れ違うようにして退出した。