庭園から引き続き監視されているという事に気付いたのは、閉じ込められた後に少し考えて「まずは外の空気を吸って落ち着こう」と、テラスに出た時だった。
そこからは庭園が見えて、そのテーブル席に兄と桃宮前当主が腰かけていた。そこを大庭園へと向けて歩いていた緋菜と亜希子が、こちらに気付いて見上げてきて、一緒にいた紗江子とアリスと揃ってにこやかに手を振られてしまったのだ。
雪弥は、口角を引き攣らせながら、なんとか彼女達に応えて手を振り返した。蒼慶と宵月、謀ったな……と、ちょっとあの組み合わせが本気で嫌になった。
それから三十分が経った今、この場所で待つ事にも飽きてしまっていた。テラスの椅子に腰かけた状態で、思わず「身体が鈍りそうだ」と心の声を口にも出した。一人でゆっくり出来るのでいいか、とは思えない。かなり暇である。
「そういえば、前の仕事が終わってから結構ゆっくりしているなぁ……」
先週に終わったとある任務で、自分が高校生として過ごしていた事を振り返った。椅子の背に頭を乗せるようにして頭上を見やり、あの日、学園から見た空と同じ青が、そこに大きく広がっているのを不思議に思った。
そこからは庭園が見えて、そのテーブル席に兄と桃宮前当主が腰かけていた。そこを大庭園へと向けて歩いていた緋菜と亜希子が、こちらに気付いて見上げてきて、一緒にいた紗江子とアリスと揃ってにこやかに手を振られてしまったのだ。
雪弥は、口角を引き攣らせながら、なんとか彼女達に応えて手を振り返した。蒼慶と宵月、謀ったな……と、ちょっとあの組み合わせが本気で嫌になった。
それから三十分が経った今、この場所で待つ事にも飽きてしまっていた。テラスの椅子に腰かけた状態で、思わず「身体が鈍りそうだ」と心の声を口にも出した。一人でゆっくり出来るのでいいか、とは思えない。かなり暇である。
「そういえば、前の仕事が終わってから結構ゆっくりしているなぁ……」
先週に終わったとある任務で、自分が高校生として過ごしていた事を振り返った。椅子の背に頭を乗せるようにして頭上を見やり、あの日、学園から見た空と同じ青が、そこに大きく広がっているのを不思議に思った。