けれど、ここ十数年でそれも変わってきた。まだ続いている小さな女の子との暖かい風景が続く≪現在≫を、思い出すように夢に見ては、心地良いままに目が覚めるのだ。

 古き友の名は、今も忘れていない。
 あの時代は、人間の男も長髪は珍しくなかった。魔除けとして信仰ある術者には大切にされていた習慣であり、魔力が宿る性質から、魔術で使う事もあったからだろうと思う。

 今は稀にしか見る事がなくなった古い時代の夢の中で、あいつは、最期は真っ白になった見事な金髪をなびかせて、今夜も立派に弟子達に教えを説き続けていた。

             ※※※

 急きょ決まった明日の任務のため、その調査の部隊班メンバーとして組み込まれたヴァン、サーバル、ジン、テトは、セドリックから説明を受けた後、すぐに戻れない副団長の代わりに付いたユリシスと共に、王都にある第三騎士団の本部へと向かった。

 ラビは彼らと王宮のすぐ外で別れた後、王都で世話になる宿をセドリックに案内してもらった。そこは王宮と第三騎士団本部に近くにある、それぞれの部屋に個別にシャワー設備があるアパートメントタイプの宿だった。