「専属獣師になった件の説明は済んだから、本題に入るためにも次の話に移ろう。――母上の言っていた『大きなワンちゃん』はどこかな?」
思わずラビの喉から「え」と、少女にあるまじき絞め上げられたような声がこぼれ出て、その隣でノエルが大きく咽た。場を見守っていたセドリックもピキリと愛想笑いを固まらせ、ユリシスが「は」と呆気に取られたような珍しい顔を晒す。
大きなワンちゃん、と言われてラビ達の脳裏に浮かんだのは黒大狼だ。実体化したノエルの姿を、ヒューガノーズ伯爵夫人には見られている。とはいえ、まさかルーファスの口から出てくるとは思わなかった。
尋ねたルーファスは、リラックスした様子で書斎机の上に組んだ手を置き、有無を言わせない美しい笑みを浮かべていた。
思わずラビの喉から「え」と、少女にあるまじき絞め上げられたような声がこぼれ出て、その隣でノエルが大きく咽た。場を見守っていたセドリックもピキリと愛想笑いを固まらせ、ユリシスが「は」と呆気に取られたような珍しい顔を晒す。
大きなワンちゃん、と言われてラビ達の脳裏に浮かんだのは黒大狼だ。実体化したノエルの姿を、ヒューガノーズ伯爵夫人には見られている。とはいえ、まさかルーファスの口から出てくるとは思わなかった。
尋ねたルーファスは、リラックスした様子で書斎机の上に組んだ手を置き、有無を言わせない美しい笑みを浮かべていた。