トーリの頼もしい様子を目にしたラビは、ようやく理解が追い付いて「トーリ! ありがとうッ」と、歓喜の声を上げてしまっていた。

「わざわざ探して、鳥達を呼んで来てくれたんだね」
『おいおい、キラキラした目を向けてくんなよ、照れるだろ……別に、そこまで苦労はしてないぜ、近くに偶然渡り鳥がいたんだ。だから俺は、そこまでちょっと久々に『飛んだだけ』さ』

 セドリック達が、唐突に宙に向かって話し始めた彼女を、不思議そうに見やった。ノエルの『なんだ、さっきの妖獣か』という台詞を耳にして、察したように互いの目を合わせると、先程の説明を裏付けるかのように、大蛇が騒然となった現場の中でも身動きする様子もない事を素早く確認する。

 ラビは、ノエルがトーリと見つめ合ったところで、強く向けられている視線に気付いた。肩越しに振り返ると、そこには三人兄弟の盗賊団であるベック達がいた。

「あのさ、宙に向かって話してるけど、まさかオバケと喋っているとかじゃねぇよな……?」