訝って訊いたところで、ラビは周りで蠢く蛇の群れの音にハッとした。

 こんな事をしている場合じゃないのだ。肩に乗ったままの、すっかり硬直している幼馴染の手から離れると、「ちょっと集合!」と元気な声を上げて、上司の様子を不思議そうに見守っていた男達を呼び寄せた。


 一同を集めたところで、穴に落ちた際に、ノエルが地下の方から何かを感じ取ったので、一緒に降りてみた事を話し聞かせた。

 そこで小さな妖獣に会い、『砂の亡霊が守っている宝』は、彼が使える可能性の高い首飾り型の術具だと分かった事。それは巨大な蛇が持っている状況で、それを大蛇の身体から引き離せば、ここにいる全ての蛇も消えてくれる事……


 現状を打開するための真面目な説明が始まってすぐ、セドリックも仕事モードに戻って、部下から自身の剣を受け取って真剣に聞いていた。騎士団だけでなく、気付くと盗賊団のベック達も耳を傾けていた。