ラビは、話している途中で、足音もなく隣に降り立ったノエルの頭を撫でた。誰の目にも映っていない彼が、上機嫌にその手に頭を擦り寄せる。
三人兄弟の盗賊団であるベック達が、揃って耳を叩き、動かされるラビの手元を凝視した。その息の合った仕草を見て、テトが「やっぱ兄弟なんだなぁ」と場違いな呑気さで共感を求め、ヴァンを困らせた。
その時、ラビはガシリと両肩を掴まれて、ノエルとの会話を続けられなくなった。何事だと思う間もなく、力強い手で身体の向きを変えられてしまう。
びっくりして目を見開くと、そこには幼馴染のセドリックがいて、高い背を少し屈めてこちらを覗き込んでいた。
「ラビッ、怪我はありませんか!?」
「へ? あの、別にないよ……?」
両肩を掴んでいる両手は、力強てびくともせず、そこから彼の大きな手の熱が伝わってきた。その後ろには、呆気に取られた表情を浮かべたサーバがいて「剣を投げ捨てないでくださいよ……」と呟いている。
三人兄弟の盗賊団であるベック達が、揃って耳を叩き、動かされるラビの手元を凝視した。その息の合った仕草を見て、テトが「やっぱ兄弟なんだなぁ」と場違いな呑気さで共感を求め、ヴァンを困らせた。
その時、ラビはガシリと両肩を掴まれて、ノエルとの会話を続けられなくなった。何事だと思う間もなく、力強い手で身体の向きを変えられてしまう。
びっくりして目を見開くと、そこには幼馴染のセドリックがいて、高い背を少し屈めてこちらを覗き込んでいた。
「ラビッ、怪我はありませんか!?」
「へ? あの、別にないよ……?」
両肩を掴んでいる両手は、力強てびくともせず、そこから彼の大きな手の熱が伝わってきた。その後ろには、呆気に取られた表情を浮かべたサーバがいて「剣を投げ捨てないでくださいよ……」と呟いている。