『ここは聖域だ。ラビの足元に穴が開いたってのも、何か意味があるのかもしれねぇな』
「どうして?」
『ここは妖獣師のための神殿だ。俺らを見る事が出来る人間も、古い時代に失われて、長い時間を経てようやく、一人がこうして辿り着いた――まぁ信仰心のある連中なら、きっとそう言うんだろうな』
まるで誰かの言葉を思い出すかのようだった彼が、ふと気付いて、後半で声の調子を戻してそう締めた。
大昔にはノエルのような妖獣がいて、彼らと共存し生活していた妖獣師がいた。以前の説明で、彼らは『使い手』と呼ばれている不思議な術が使える獣師だった、という話をラビは思い返した。
けれど自分は、ノエルの姿が見えて、動物とお喋りが出来るというだけだ。他にはこれと言って特別な事は出来ないから、不思議になってしまう。
「俺はどこにでもいる、普通の獣師だよ?」
『そうだな。魔力――っじゃなくて、えぇと術が使えるエネルギーを持っていないから、術者にはなれないな』
「どうして?」
『ここは妖獣師のための神殿だ。俺らを見る事が出来る人間も、古い時代に失われて、長い時間を経てようやく、一人がこうして辿り着いた――まぁ信仰心のある連中なら、きっとそう言うんだろうな』
まるで誰かの言葉を思い出すかのようだった彼が、ふと気付いて、後半で声の調子を戻してそう締めた。
大昔にはノエルのような妖獣がいて、彼らと共存し生活していた妖獣師がいた。以前の説明で、彼らは『使い手』と呼ばれている不思議な術が使える獣師だった、という話をラビは思い返した。
けれど自分は、ノエルの姿が見えて、動物とお喋りが出来るというだけだ。他にはこれと言って特別な事は出来ないから、不思議になってしまう。
「俺はどこにでもいる、普通の獣師だよ?」
『そうだな。魔力――っじゃなくて、えぇと術が使えるエネルギーを持っていないから、術者にはなれないな』