警戒心も敵対心もなく、素の表情でコテリと首を傾けるのを、ユリシスがどこか珍しそうに眺める。普段から彼女の素直さを見ているセドリックは、小さく苦笑し、困ったように微笑んだ。
「ラビ、ノエルは本当に不思議な存在ですね」
「うーん、……ノエルは普通に物にも触れるから、オレには、みんなが見えてない方が不思議でもあるというか」
彼の尻尾が踏まれそうになると、いつもハラハラする。
思い返す表情でそう小さく呟いたラビを見て、セドリックとユリシスは、今更気付いたといわんばかりに顔を見合わせた。
「……そういえば、幽霊のようであったらラビは触れないな……?」
「……実在しているのに、姿だけが見えないというのも、やはり奇妙な話ですね」
『俺は霊体じゃねぇよ。何度も言ってるが、お前らが見えてないだけだってのッ』
すかさずノエルが突っ込み、踵を返して長い尻尾を振った。それで腰を打たれたユリシスが、咄嗟にバランスを取って転倒を免れてすぐに「獣的な尾を感じましたが!?」と自分の周りに目を走らせる。何物かが動くような風を感じたセドリックも、足を止めて彼の周りを見てしまう。
「ラビ、ノエルは本当に不思議な存在ですね」
「うーん、……ノエルは普通に物にも触れるから、オレには、みんなが見えてない方が不思議でもあるというか」
彼の尻尾が踏まれそうになると、いつもハラハラする。
思い返す表情でそう小さく呟いたラビを見て、セドリックとユリシスは、今更気付いたといわんばかりに顔を見合わせた。
「……そういえば、幽霊のようであったらラビは触れないな……?」
「……実在しているのに、姿だけが見えないというのも、やはり奇妙な話ですね」
『俺は霊体じゃねぇよ。何度も言ってるが、お前らが見えてないだけだってのッ』
すかさずノエルが突っ込み、踵を返して長い尻尾を振った。それで腰を打たれたユリシスが、咄嗟にバランスを取って転倒を免れてすぐに「獣的な尾を感じましたが!?」と自分の周りに目を走らせる。何物かが動くような風を感じたセドリックも、足を止めて彼の周りを見てしまう。