ラビは「なるほど」と口の中で呟いて、試しにちらりと目を向けて見た。目が合うとすぐに視線をそらされるて、そそくさと離れていくのが見えた。

「この調子だけと、買い物とかは無理そうだね」
『もしかしたら、そうかもしれねぇな。地方の連中は、迷信を重んじるやつらも多いからな』

 それに比べりゃ王都の方がまだマシなのか、と呟いてノエルが舌打ちする。

 金色は、悪魔の色。
 その『悪魔の色』を持った子は、不幸を呼びよせて災厄を招く。

 何故そのような教えが、古くから残されているのかは知らない。ラビも両親がなくなった後、それを心から信じている村人達に過剰防衛のように店先で『災厄を招く子供だぞ!』と罵られ、門前払いを食らった経験があった。

 そう考えると、乾いた大地にポツンとあるようなこの町ではなく、王都の方が少しはマシなのかもしれない。もしくは、都会に分類されるような大きな町であれば、あるいは。

 とはいえ、結局のところ、どこへ行こうと変わらないのだろう。