まだ実体化の続いていたノエルについて、ラビは伯爵夫人に咄嗟に、「仕事でしばらく連れている大きな犬」と紹介していた。そのせいか、夫人は「大きなワンちゃんねぇ」と全く警戒なく接し、笑顔でスコーンも与えていた。
長居は出来ないからとセドリックが前置きしたせいか、伯爵夫人は世間話もそこそこに、土産を持たせるからと言って、一度席を外した。
夫人が席を離れてすぐ、ユリシスが、早速ラビに駄目出しをした。
「犬とは何ですか。どう見ても無理があります。もっとましな言い訳があったのでは?」
「狼だって言ったら、夫人がびっくりしちゃうかもしれないじゃん」
ラビとユリシスが睨み合うと、セドリックが「まぁ母上なら、犬と狼の違いも分からないと思います」とにこやかに場を落ち着けて、珈琲を飲んだ。
別荘を出ると、ついでだからと、通り沿いにあるラビの家まで馬車で送る提案をセドリックは出した。手土産のスコーンを受け取った彼女は、まんざらでもなさそうな顔で「仕方ないな」と便乗させてもらった。
長居は出来ないからとセドリックが前置きしたせいか、伯爵夫人は世間話もそこそこに、土産を持たせるからと言って、一度席を外した。
夫人が席を離れてすぐ、ユリシスが、早速ラビに駄目出しをした。
「犬とは何ですか。どう見ても無理があります。もっとましな言い訳があったのでは?」
「狼だって言ったら、夫人がびっくりしちゃうかもしれないじゃん」
ラビとユリシスが睨み合うと、セドリックが「まぁ母上なら、犬と狼の違いも分からないと思います」とにこやかに場を落ち着けて、珈琲を飲んだ。
別荘を出ると、ついでだからと、通り沿いにあるラビの家まで馬車で送る提案をセドリックは出した。手土産のスコーンを受け取った彼女は、まんざらでもなさそうな顔で「仕方ないな」と便乗させてもらった。