「そういえば、さっきスウェン隊長? って人から、二つ目のセキュリティー・エリアを突破したって報告がありましたよね。早いっすよねぇ」
「隊長? ああ、そういえばスウェンさんは元部隊の隊長だったけど……。って違うだろ。馬鹿いえ、向こうとこっちとじゃ時間の流れが違うんだぞッ」
「あ、そうでした。あとは、あれっすか? 少年が一人紛れこんじゃってるんでしたっけ?」
「ぐぅッ、胃が痛い……」
ハイソンは、堪らず服の上から腹部を押さえた。珈琲が胃に沁みる前に、緊迫と責任感で内臓が押し潰されてしまいそうだ。少し前にエリスが亡くなったというのに、アリスにまで何かあったらと考えると、生きた心地がしない。
「そもそも、紛れ込むなんておかしいだろ。仮想空間内の時間を、現在の時刻で割り出しても計算が合わないぞ。入口となる要は『エリス・プログラム』の管轄外だから、既に強制停止させていたし、今日の明朝には彼の機材の調査と処分も完了していた。マルクさんは、ログさんとカーチェイスを繰り広げていた頃のはずだし、三人を入れたその時点で脳波は増えていなかったのに……」
「隊長? ああ、そういえばスウェンさんは元部隊の隊長だったけど……。って違うだろ。馬鹿いえ、向こうとこっちとじゃ時間の流れが違うんだぞッ」
「あ、そうでした。あとは、あれっすか? 少年が一人紛れこんじゃってるんでしたっけ?」
「ぐぅッ、胃が痛い……」
ハイソンは、堪らず服の上から腹部を押さえた。珈琲が胃に沁みる前に、緊迫と責任感で内臓が押し潰されてしまいそうだ。少し前にエリスが亡くなったというのに、アリスにまで何かあったらと考えると、生きた心地がしない。
「そもそも、紛れ込むなんておかしいだろ。仮想空間内の時間を、現在の時刻で割り出しても計算が合わないぞ。入口となる要は『エリス・プログラム』の管轄外だから、既に強制停止させていたし、今日の明朝には彼の機材の調査と処分も完了していた。マルクさんは、ログさんとカーチェイスを繰り広げていた頃のはずだし、三人を入れたその時点で脳波は増えていなかったのに……」