先程からラボ内の様子を見ていたスウェンは、クロシマという男の立場を推測して、首を傾げた。
「君、暇そうにしているけどハイソン君の補佐だろう。手伝わなくていいのかい?」
「ああ、邪魔だと言われたので、別の後輩にバトンタッチしました。ハッキングとかスリルのある作業じゃないと、正直テンションも上がらないですし?」
「科学者という感じじゃないね。なんでここに勤めているのさ」
「え~、結構自由だし、機械の性能もいいですし?」
そう適当に答えたクロシマは、本音を待つスウェンの視線を受けとめると、「秘密です」と困ったように笑った。
セイジが珈琲を飲み始めて暫くもしないうちに、スウェンと馴染みのある大佐の遣いがやって来た。彼らは、アリスとマルクの保護を確認した事を、スウェンとハイソンに報告した。
スウェンは、今後のマルクへの扱いが気になったが、どうやらショーン・ウエスターが、先程スウェンから追って指示させた件について、後押しするような発言をしたようだ。それをかばう大佐の権限も効力を発揮し、今後について、早急に三人で話したいとの伝令だった。
「急ぎ話したい事ではあるけど、少し待ってくれないかい? まだログが起きていなくてね。彼の無事も確認しなきゃならないし、エル君についても、彼に直接訊かなきゃならない」
「はぁ、『エル君』とは、紛れこんだ民間人の事でしょうか?」
大佐の遣いである、スウェンより数歳年下の軍人は、ベッドに腰かけるスウェンを見降ろしたまま、困惑したようにひっそりと眉を寄せた。彼は、こちらの様子を見守るセイジをちらりと見て、奥に横たわるローランド・グローブへ目を止め、悩ましげに「ですが」と告げた。
「君、暇そうにしているけどハイソン君の補佐だろう。手伝わなくていいのかい?」
「ああ、邪魔だと言われたので、別の後輩にバトンタッチしました。ハッキングとかスリルのある作業じゃないと、正直テンションも上がらないですし?」
「科学者という感じじゃないね。なんでここに勤めているのさ」
「え~、結構自由だし、機械の性能もいいですし?」
そう適当に答えたクロシマは、本音を待つスウェンの視線を受けとめると、「秘密です」と困ったように笑った。
セイジが珈琲を飲み始めて暫くもしないうちに、スウェンと馴染みのある大佐の遣いがやって来た。彼らは、アリスとマルクの保護を確認した事を、スウェンとハイソンに報告した。
スウェンは、今後のマルクへの扱いが気になったが、どうやらショーン・ウエスターが、先程スウェンから追って指示させた件について、後押しするような発言をしたようだ。それをかばう大佐の権限も効力を発揮し、今後について、早急に三人で話したいとの伝令だった。
「急ぎ話したい事ではあるけど、少し待ってくれないかい? まだログが起きていなくてね。彼の無事も確認しなきゃならないし、エル君についても、彼に直接訊かなきゃならない」
「はぁ、『エル君』とは、紛れこんだ民間人の事でしょうか?」
大佐の遣いである、スウェンより数歳年下の軍人は、ベッドに腰かけるスウェンを見降ろしたまま、困惑したようにひっそりと眉を寄せた。彼は、こちらの様子を見守るセイジをちらりと見て、奥に横たわるローランド・グローブへ目を止め、悩ましげに「ですが」と告げた。