スウェンは足を組み直すと、姿勢を楽に、セイジに目を合わせないままこう呟いた。

「僕らは、結果を待つばかりさ。ホテルの彼が、ログを最後にしたのにも意味があると思うし」
「待つのは、苦しいな」

 セイジが、紙カップの中の珈琲を覗きこんでそう言った。

 スウェンは、「そうだね」と静かに答えた。

「いつでも、待つ方は苦しいよ」

 ハイソンの珈琲を入れ替えたクロシマが、目覚めたセイジに気付き、そこで話すスウェンを目に止めた。彼は、手に持っていた珈琲カップを近くの台の上に置くと、白衣のポケットからチョコバーのお菓子を取り出した。

「スウェン隊長、でいいんでしたっけ? お菓子、食べます?」
「ありがたく頂こうかな」
「そっちの兄さんは、どうします?」
「い、いや、私は必要ない……」
「顔色は悪くなさそうですけど、食欲はまだ戻らない感じっすか? 体調が悪かったら、すぐに言って下さいね。問題があったりしたら、ハイソンさんが、そこの隊長さんに殺されちまう可能性があるんで」