「いつか、また向こうの世界で会えたら、その時には、お前が見た未来を俺達に話し聞かせてくれ。それが最高の親孝行だぜ」
何もかも手が届かない距離まで離れてしまっていて、もう、本当にさよならなのだ。遠ざかってゆく光景を、エルは泣きながら見送った。
ホテルマンが淋しそうに笑い、シャツの襟元に手をやった。
「もし、叶うのならば――きっと私は、あなたの『夢人』として帰れる事を望むでしょう。決して触れあう事が出来なくとも、あなたは私の光だったのだと、今となってはそう思います。いつも見守っていた貴女に名を呼ばれ、手を引かれた事を、私は、こんなにも忘れられないのですから」
ホテルマン、クロエ、ロレンツォ、ポタロウが、真っ直ぐエルを見上げた。彼らは互いに目配せすると、晴れ晴れとした表情を見せた。向けられたその視線が、エルに最期のさよならを告げていた。
エルの返答も待たずに、ホテルマンが踵を返した。
クロエがホテルマンの腕から飛び降り、泣き続ける幼いエリスへ歩み寄った。その後ろから、ロレンツォとポタロウも続いた。
何もかも手が届かない距離まで離れてしまっていて、もう、本当にさよならなのだ。遠ざかってゆく光景を、エルは泣きながら見送った。
ホテルマンが淋しそうに笑い、シャツの襟元に手をやった。
「もし、叶うのならば――きっと私は、あなたの『夢人』として帰れる事を望むでしょう。決して触れあう事が出来なくとも、あなたは私の光だったのだと、今となってはそう思います。いつも見守っていた貴女に名を呼ばれ、手を引かれた事を、私は、こんなにも忘れられないのですから」
ホテルマン、クロエ、ロレンツォ、ポタロウが、真っ直ぐエルを見上げた。彼らは互いに目配せすると、晴れ晴れとした表情を見せた。向けられたその視線が、エルに最期のさよならを告げていた。
エルの返答も待たずに、ホテルマンが踵を返した。
クロエがホテルマンの腕から飛び降り、泣き続ける幼いエリスへ歩み寄った。その後ろから、ロレンツォとポタロウも続いた。