ログは立ち上がって初めて、目の前にいる男が、自分と同じぐらいに屈強で高い背丈をしている事に気付いた。眼差しや雰囲気には、歳を取っているとは思えない覇気が滲み、戦士としての威圧感も覚えた。
しばし同じ目の高さから睨み合っていると、足元にいたクロエが、猫らしく「ニャーン」と鳴いた。
気付いた男が「相変わらず美人だなぁ」と、クロエの頭を撫でくり回した。彼は、自分の尻尾を追い駆け回し始めた雑種犬に目を止めると、「ははは、やっぱり馬鹿だわ」と大口を開けて笑った。
ログは不意に、エルから聞いた話を思い出した。目の前の光景に、その特徴を当てはめてみると、実にしっくりと来た。
「――お前、もしかして、あいつの言っていた『おじさん』って奴か……?」
「うん? そうさ、俺が親愛なる『おじさん』だ」
まるで緊張感などない様子で、男がクロエを抱き上げてニヤリとした。
男の先程の言葉を思い返し、ログは、軍の教官だったのだろうと勘ぐった。スウェン達とエルの話を聞いていた時、恐らくは米軍関係者だろうとは推測していたが、想像以上に性格も戦闘能力も厄介そうだ。
しばし同じ目の高さから睨み合っていると、足元にいたクロエが、猫らしく「ニャーン」と鳴いた。
気付いた男が「相変わらず美人だなぁ」と、クロエの頭を撫でくり回した。彼は、自分の尻尾を追い駆け回し始めた雑種犬に目を止めると、「ははは、やっぱり馬鹿だわ」と大口を開けて笑った。
ログは不意に、エルから聞いた話を思い出した。目の前の光景に、その特徴を当てはめてみると、実にしっくりと来た。
「――お前、もしかして、あいつの言っていた『おじさん』って奴か……?」
「うん? そうさ、俺が親愛なる『おじさん』だ」
まるで緊張感などない様子で、男がクロエを抱き上げてニヤリとした。
男の先程の言葉を思い返し、ログは、軍の教官だったのだろうと勘ぐった。スウェン達とエルの話を聞いていた時、恐らくは米軍関係者だろうとは推測していたが、想像以上に性格も戦闘能力も厄介そうだ。