空から降って来たその男は、彫りの深い顔にある愛想のない目を細めると、「ふむふむ」とぼやきながら腰を屈めて、角ばった仏頂面でログを凝視した。
「……ああ、なるほど? お前が『失礼極まりない大きな客』ってやつか」
「おい。あまり合ってねぇぞ、おっさん」
「細かい事はいいじゃねぇかよ。俺ぁ、そういうのは面倒で嫌いなんだ」
男は深い息を吐きながら、左手を大きく振った。雑種犬が猫に向かって尻尾を激しく振りながら、彼女の周りをぐるぐると走り始め、「ふわん」と力が抜けそうな声で吠えた。
阿呆な雑種犬に目を向けた男が、「馬鹿だなぁ」とこぼした後、顎髭をさすった。
「ん? お前がここにいるって事は、『ナイトメア』とエルは、もう行っちまったのか。こりゃあ急がんといかんな。ほれ、さっさと立たんかい」
「立とうとした矢先に、お前がとどめを差したんだろうが!」
分かっていて踏んだ可能性も高い。
畜生一体何だってんだ、とログは、唐突に湧いて出た規格外な年配男を睨みつけた。すると、男は反省など微塵も感じないと言わんばかりに顔を顰めた。
「はぁ? これぐらいでガタガタ抜かしてんじゃねぇぞぃ。お前軍人だろ、最前線を離れて鈍っちまったんじゃねぇのかぃ。はぁ~やれやれ、今時の軍人ときたら、なよっちい奴が多いなぁ。俺が教官だった時代にゃあ、このぐらいでへこたれる連中はいなかったぜ」
男は唇を尖らせると、ログの腕を掴んで一気に引き上げ、立ち上がらせた。
「……ああ、なるほど? お前が『失礼極まりない大きな客』ってやつか」
「おい。あまり合ってねぇぞ、おっさん」
「細かい事はいいじゃねぇかよ。俺ぁ、そういうのは面倒で嫌いなんだ」
男は深い息を吐きながら、左手を大きく振った。雑種犬が猫に向かって尻尾を激しく振りながら、彼女の周りをぐるぐると走り始め、「ふわん」と力が抜けそうな声で吠えた。
阿呆な雑種犬に目を向けた男が、「馬鹿だなぁ」とこぼした後、顎髭をさすった。
「ん? お前がここにいるって事は、『ナイトメア』とエルは、もう行っちまったのか。こりゃあ急がんといかんな。ほれ、さっさと立たんかい」
「立とうとした矢先に、お前がとどめを差したんだろうが!」
分かっていて踏んだ可能性も高い。
畜生一体何だってんだ、とログは、唐突に湧いて出た規格外な年配男を睨みつけた。すると、男は反省など微塵も感じないと言わんばかりに顔を顰めた。
「はぁ? これぐらいでガタガタ抜かしてんじゃねぇぞぃ。お前軍人だろ、最前線を離れて鈍っちまったんじゃねぇのかぃ。はぁ~やれやれ、今時の軍人ときたら、なよっちい奴が多いなぁ。俺が教官だった時代にゃあ、このぐらいでへこたれる連中はいなかったぜ」
男は唇を尖らせると、ログの腕を掴んで一気に引き上げ、立ち上がらせた。