「俺、お荷物になるつもりはないけど? 自分の身は自分で守るしッ」
「――けっ。これだからガキは嫌いなんだよ」

 きちんとした事を発言したつもりだったが、逆に小言を返されてしまった。

 エルが次の文句を浴びせかけようとしたところで、スウェンが二人の間に入って「まあまあ、落ち着きなよ」と片手をひらひらとさせた。

「入口は封鎖したけど、出口は閉じてないから大丈夫だって。向こうでも何か策は考えるでしょ。多分死ぬほどの大怪我をしない限り、エル君も問題ないと思うよ。身体が外にあれば尚更さ」

 エルとログは、上と下からそれぞれ睨み合った。どうも好きになれそうにもないと、お互い馬が合わない事を悟って、ほぼ同時に顔をそむけた。

 セイジがスウェンに、エルに説明した内容を手短に報告した。スウェンは「説明しておいてほしい部分は、ほぼ語っちゃった感じだね。感心、感心」と肯いた。

 一番扱い易い銃があるとスウェンが提案し、エルに小ぶりの銃を手渡した。

「使い方をざっと教えてあげるよ。予備の弾もあるから、歩きながら話そうか」