「はッ、吊り橋効果ってやつか!? 絶対そうに違いないッ。お前とスウェンって女好きらしいし、単に女が恋しいだけだろ!」
「あははははははは! エル君の口からそんな言葉が出るとはッ。ぶふくくくッ、エル君、吊り橋効果の意味を履き違えているよ。でもまぁ、僕としても、ログは単に女不足な気がするなぁ」
「犯罪じゃないのかね」

 マルクが同じ台詞を繰り返し、セイジが遅れて「み、みんな、少し落ち着こう」とフォローの声を上げた。

「ログは、責任感のない男ではないし……」

 その時、先程まで茶化していたスウェンが、「冗談は置いといて」と真意を見定めるような真剣な眼差しに変え、立ち上がった勢いでログを指差した。

「今のは冗談と取っていいんだよね? 愛しちゃってるとか、そういうのではないよね?」
「俺にもまだ分からん」
「ほらね。多分あれだよ、君、お兄さんかお父さん的心情に欲求不満が混ざって、自分でもよく分からなくなっているんだよ。君は言葉が足りないところがあるけれど、エル君を卑猥な目で見ている訳ではないんだろう?」
「うっかり妄想して、むらっと――」
「わぁぁあああ!? 止めてくれログ、ストップ!」

 純情なセイジが、大慌てでログの台詞を遮った。マルクが「君たちの議題そのものが犯罪だ」と侮蔑の表情を向け、スウェンが「え~……」と悩ましげにぼやいて額に浮かぶ汗を拭った。