エルは疑問に思いつつも、背中を押されるがままにセイジと部屋の外へ出た。扉を閉めると音が遮断されて、階段のある灰色の空間には、二人と一匹だけがポツンと取り残されてしまった。
スウェンとログを待つ間、セイジが、この世界について話し聞かせてくれた。
当初、仮想空間はエリス区域だけだったらしいが、マルクという、少女誘拐犯である科学者が手を加えた事により、六つの防衛セキュリティーが目的エリアまでの道のりを塞いでいる。
それぞれが『支柱』を媒体とした小さな仮想空間となっており、壊さない限り、次のエリアには進めない仕組みらしい。
仮想空間に設定されている風景や支柱の位置は異なるが、セキュリティーという特性もあって、侵入者であるスウェン達を攻撃してくるのだという。
「本来の仮想空間は、形状が沖縄本島に似た形だったようだ。当初の予定であれば、私達はエリス・エリアに突入し、すぐにプログラムを内側から破壊する予定でいたのだが、目的のエリアまで辿り着けないのが現状だ」
セイジは、年下のエルに、落ち着いた低い声でゆっくりと話し聞かせた。
スウェンとログを待つ間、セイジが、この世界について話し聞かせてくれた。
当初、仮想空間はエリス区域だけだったらしいが、マルクという、少女誘拐犯である科学者が手を加えた事により、六つの防衛セキュリティーが目的エリアまでの道のりを塞いでいる。
それぞれが『支柱』を媒体とした小さな仮想空間となっており、壊さない限り、次のエリアには進めない仕組みらしい。
仮想空間に設定されている風景や支柱の位置は異なるが、セキュリティーという特性もあって、侵入者であるスウェン達を攻撃してくるのだという。
「本来の仮想空間は、形状が沖縄本島に似た形だったようだ。当初の予定であれば、私達はエリス・エリアに突入し、すぐにプログラムを内側から破壊する予定でいたのだが、目的のエリアまで辿り着けないのが現状だ」
セイジは、年下のエルに、落ち着いた低い声でゆっくりと話し聞かせた。