現場へと向かうスウェンが、状況を素早く確認するように目を走らせた。彼は、敵に一番近いエルとセイジの姿を認めると、セイジに向かって一つ肯いて、右手で合図を送った。
「了解、スウェン隊長」
セイジが一つ肯いて、迷いもせず近くにいた大蛇へ向かって駆けた。彼は大蛇の腹を掴んで一気に持ち上げると、勢いよく他の大蛇へ向かって長い巨体を放り投げた。
近くにすぐ襲いかかって来そうな大蛇がいない事を確認し、セイジは一旦素早く後退した。
その様子を、瓦礫の一角から無表情に傍観していたエルが、赤い瞳で塔を見据え、顎の下をさすった。
「――なるほど」
彼女は、思案するように呟くと、手を解いて視線を他上へと戻した。遅れて到着したスウェンが、ログとアリスの元へ合流した事を確認すると、一同に聞こえるよう声を掛ける。
「あの人間は、どうやらプログラムに身体を呑み込まれてしまったようですね。この世界を『夢』に見て、この世界のセキュリティーの一部に意識が同化しているがゆえに、セキュリティー区内を自由に出来る状態であると――ああ、でも、もう限界ですかね? 所詮、人間に夢世界を操ろうなどと無理な事。こちらの世界が正確に認識出来ているかも、怪しいですねぇ」
エルはそこで、一歩も見動きをしなくなった対地上用戦闘機MR6へ目を向けた。
「了解、スウェン隊長」
セイジが一つ肯いて、迷いもせず近くにいた大蛇へ向かって駆けた。彼は大蛇の腹を掴んで一気に持ち上げると、勢いよく他の大蛇へ向かって長い巨体を放り投げた。
近くにすぐ襲いかかって来そうな大蛇がいない事を確認し、セイジは一旦素早く後退した。
その様子を、瓦礫の一角から無表情に傍観していたエルが、赤い瞳で塔を見据え、顎の下をさすった。
「――なるほど」
彼女は、思案するように呟くと、手を解いて視線を他上へと戻した。遅れて到着したスウェンが、ログとアリスの元へ合流した事を確認すると、一同に聞こえるよう声を掛ける。
「あの人間は、どうやらプログラムに身体を呑み込まれてしまったようですね。この世界を『夢』に見て、この世界のセキュリティーの一部に意識が同化しているがゆえに、セキュリティー区内を自由に出来る状態であると――ああ、でも、もう限界ですかね? 所詮、人間に夢世界を操ろうなどと無理な事。こちらの世界が正確に認識出来ているかも、怪しいですねぇ」
エルはそこで、一歩も見動きをしなくなった対地上用戦闘機MR6へ目を向けた。