きっと必要だったからこそ、何者かが、エルの本当の名前までアリスに教えた。これから起こる事と、自分達が果たさなければならない役割と引き換えに、起こるべき全てを開示したに違いない。
そう考えたところで、エルの胸の奥に残っていた最後のシコリが解けていった。
エルの脳裏の闇の中で、微笑むホテルマンの不敵な微笑みが浮かんだ。仮面を付けたファントムが、彼女の中でもつれていた最後の糸を解きほぐして、エルの中で一番はじめの謎が解けてしまった。
思い返せば、アリスの鈴のような声は、仮想空間に踏み込んでしまう直前に、国際道路でエルを『※※※』と呼んでいた声と同じだった。
ああ、そうか――ようやく、エルの中で全部が腑に落ちた。
君が、先に『エリス』を止めていてくれたんだね。でも、ごめんね。俺は、俺の役目を果たさなきゃならないんだ。そうしないと、お姉さんは――『エリス』は、助けられないんだよ。
「――ログ、お前はアリスを守る事を第一に動け」
エルは、アリスを見据えたままそう告げた。
ログが、心底疑わしそうな顔を向けて「なんでだ」と言い放った。
そう考えたところで、エルの胸の奥に残っていた最後のシコリが解けていった。
エルの脳裏の闇の中で、微笑むホテルマンの不敵な微笑みが浮かんだ。仮面を付けたファントムが、彼女の中でもつれていた最後の糸を解きほぐして、エルの中で一番はじめの謎が解けてしまった。
思い返せば、アリスの鈴のような声は、仮想空間に踏み込んでしまう直前に、国際道路でエルを『※※※』と呼んでいた声と同じだった。
ああ、そうか――ようやく、エルの中で全部が腑に落ちた。
君が、先に『エリス』を止めていてくれたんだね。でも、ごめんね。俺は、俺の役目を果たさなきゃならないんだ。そうしないと、お姉さんは――『エリス』は、助けられないんだよ。
「――ログ、お前はアリスを守る事を第一に動け」
エルは、アリスを見据えたままそう告げた。
ログが、心底疑わしそうな顔を向けて「なんでだ」と言い放った。