考える暇も、迷う時間もない。その一瞬が命取りになる。
エルは自由になった両手を地面に付くと、両足を振り上げて回転を付け、機体の足の装甲のを支えるように脈打つ一際大きな電気ケーブルに、力いっぱい両足叩き込んだ。
戦闘兵器を支える片足部分の、メインの電気ケーブルのが完全に叩き潰されると、その周りにあった細い電気ケーブルが力を失ったように剥がれ落ちた。機体本体の細い装甲が露わになったが、その装甲部分は非常に固く、渾身の蹴りでどうにか凹みはしたものの、致命傷を負わせるまでには至らなかった。
エルの足は、装甲の堅さに悲鳴を上げて痺れた。
ッチクショー、腕の部分より固いんだけど!?
部位によって強度が違うらしい。予想以上の頑丈さだ。痺れの直後に、数秒ほど激しい痛みが彼女の足を襲ったが、エルは叫びたい衝動を堪えるようにコンバットナイフを強く噛みしめると、戦闘兵器のもう一方の足にも、強靭な蹴りを叩き入れた。
両足の電気ケーブルをほとんど潰された機体は、動力供給を半ば失ってくれてたのか、一瞬バランスを崩してよろめいた。
エルは両足の痺れを無視して、その真下ですぐさま体勢を整えると、コンバットナイフを一旦腰にある革鞘へと戻し、機体の中心部を見据えた。
腰元から銃を引き抜いて一発銃弾を撃ち込んでみたが、装甲部分に銃弾は通用しなかった。オジサンが昔、戦車は下からの衝撃に弱いのだと言っていた事があるが、こちらの戦闘兵器には通用しないらしい。
「ますます厄介な相手ってわけかよ」
そう呟いて、エルが素早く銃を腰元に戻した時、戦闘兵器の左腕が彼女の背後にある地面を抉った。
砕かれたコンクリートが飛び上がり、エル背中を強打した。続いて起こった衝撃風と共に、エルの華奢な身体は弾き飛ばされ、二メートル先の地面に叩き付けられた。
エルは自由になった両手を地面に付くと、両足を振り上げて回転を付け、機体の足の装甲のを支えるように脈打つ一際大きな電気ケーブルに、力いっぱい両足叩き込んだ。
戦闘兵器を支える片足部分の、メインの電気ケーブルのが完全に叩き潰されると、その周りにあった細い電気ケーブルが力を失ったように剥がれ落ちた。機体本体の細い装甲が露わになったが、その装甲部分は非常に固く、渾身の蹴りでどうにか凹みはしたものの、致命傷を負わせるまでには至らなかった。
エルの足は、装甲の堅さに悲鳴を上げて痺れた。
ッチクショー、腕の部分より固いんだけど!?
部位によって強度が違うらしい。予想以上の頑丈さだ。痺れの直後に、数秒ほど激しい痛みが彼女の足を襲ったが、エルは叫びたい衝動を堪えるようにコンバットナイフを強く噛みしめると、戦闘兵器のもう一方の足にも、強靭な蹴りを叩き入れた。
両足の電気ケーブルをほとんど潰された機体は、動力供給を半ば失ってくれてたのか、一瞬バランスを崩してよろめいた。
エルは両足の痺れを無視して、その真下ですぐさま体勢を整えると、コンバットナイフを一旦腰にある革鞘へと戻し、機体の中心部を見据えた。
腰元から銃を引き抜いて一発銃弾を撃ち込んでみたが、装甲部分に銃弾は通用しなかった。オジサンが昔、戦車は下からの衝撃に弱いのだと言っていた事があるが、こちらの戦闘兵器には通用しないらしい。
「ますます厄介な相手ってわけかよ」
そう呟いて、エルが素早く銃を腰元に戻した時、戦闘兵器の左腕が彼女の背後にある地面を抉った。
砕かれたコンクリートが飛び上がり、エル背中を強打した。続いて起こった衝撃風と共に、エルの華奢な身体は弾き飛ばされ、二メートル先の地面に叩き付けられた。