車窓からは、地上の白い大地が一望出来た。どこまでも果てしなく続く白が、なんだか感傷的な気持ちにさせて、エルはしばらく目を離せずにいた。スウェン達の側窓からは、遠くなってゆく緑の山々が見える。
「……もう、この景色の続きは造られないんだね」
「ここにいた『夢人』が、『核』をきちんと持って行きましたから、それに相応しい『器』を持った生物といつか巡り合い、彼が見た『夢』の続きを創造するのです。その人間が抱いた夢や、想いや記憶は、そのようにして次の誰かに引き継がれて続いていくのですよ」
ホテルマンが椅子に腰かける事に成功し、彼は足を組むと、改めて窓の外へと目を向けた。
「――美しい場所ですね。世界は広く、空はこんなにも澄む事が出来るなんて、私は知りませんでした」
エルは、ホテルマンを横目に見た。意思のない作り物の顔が、ここではない何処か遠くの世界を眺めているように思えて、ああ寂しい横顔だ、と察して口を噤んだ。
「……もう、この景色の続きは造られないんだね」
「ここにいた『夢人』が、『核』をきちんと持って行きましたから、それに相応しい『器』を持った生物といつか巡り合い、彼が見た『夢』の続きを創造するのです。その人間が抱いた夢や、想いや記憶は、そのようにして次の誰かに引き継がれて続いていくのですよ」
ホテルマンが椅子に腰かける事に成功し、彼は足を組むと、改めて窓の外へと目を向けた。
「――美しい場所ですね。世界は広く、空はこんなにも澄む事が出来るなんて、私は知りませんでした」
エルは、ホテルマンを横目に見た。意思のない作り物の顔が、ここではない何処か遠くの世界を眺めているように思えて、ああ寂しい横顔だ、と察して口を噤んだ。