「ひとまず、僕らは【仮想空間エリス】の本空間であるエリス・エリアへ入らなきゃならないんだけど、その為には、マルクが組み立てたセキュリティー・エリアを壊さなければならない。それは驚く事に、【仮想空間エリス】の前に立ち塞がる、独立した全く別物の仮想空間でね。そのセキュリティー・エリアを形造り、稼働させているシステム本体を、僕らは『支柱』と呼んでいる」
「支柱……?」
「空間型のセキュリティー機能、とでもいえばいいのかな。マルクの研究産物の一部らしいけど、それを壊さなくちゃ先へ進めないんだよ。僕らが唯一、外部と通信が取れる場所でもあるんだけど」
エルが首を捻ると、スウェンが困ったように笑った。
「ここで全部説明されても上手く理解出来ないだろうから、実際に見てもらった方が早いと思う。仮想空間は『夢』の中に存在するような世界だけれど、実際に『支柱』や、セキュリティー・エリアが止まるところを見てしまえば、科学的に造られている事がよく分かるはずだよ」
その時、先頭を歩くログが「ふん」と鼻を鳴らした。
「『夢』をテーマに造られた世界にしちゃあ、全く夢もない場所だぜ。この世界も、スウェンがいう『支柱』とやらも、全部ただの胸糞悪ぃ悪夢だ」
呟くログの横顔は、強い侮蔑で歪んでいた。
「支柱……?」
「空間型のセキュリティー機能、とでもいえばいいのかな。マルクの研究産物の一部らしいけど、それを壊さなくちゃ先へ進めないんだよ。僕らが唯一、外部と通信が取れる場所でもあるんだけど」
エルが首を捻ると、スウェンが困ったように笑った。
「ここで全部説明されても上手く理解出来ないだろうから、実際に見てもらった方が早いと思う。仮想空間は『夢』の中に存在するような世界だけれど、実際に『支柱』や、セキュリティー・エリアが止まるところを見てしまえば、科学的に造られている事がよく分かるはずだよ」
その時、先頭を歩くログが「ふん」と鼻を鳴らした。
「『夢』をテーマに造られた世界にしちゃあ、全く夢もない場所だぜ。この世界も、スウェンがいう『支柱』とやらも、全部ただの胸糞悪ぃ悪夢だ」
呟くログの横顔は、強い侮蔑で歪んでいた。