三人の軍人を室内に残し、エルは、座りこむホテルマンの隣から白い世界を眺めた。背後で機械の稼働音が止むのを感じながら、ふと、『夢人』だった少年の事が思い起こされて――
頑張れば、外と通信が行えたのではないか、という考えが脳裏を過ぎった。そもそも、彼以上の事を、ホテルマンは出来るような予感がしているのだ。
エルは、作り物の顔をしたホテルマンの横面を、後ろの三人に気付かれない程度にチラリと盗み見た。
「……本当のところは、どうなの?」
「……何が、でしょうか?」
「……さっきの説明。俺には、なんだか取ってつけたようにも聞こえた」
お互い白い世界を眺めたまま、囁く程度に言葉を交わした。
ホテルマンが、含み笑いに肩を震わせた。
「貴女には、嘘が付けませんねぇ。『遮断』は完全ではないですから、今こじ開けられてはマズイのですよ」
「だから通信を断ったの? それは、貴方にとって必要な事?」
「外にいる『彼ら』にとっては必要でしょう。建物内でちょっとしたトラブルに巻き込まれてしまいましたから、その関係上、ね」
彼は含むように答え、中途半端に言葉を切った。
頑張れば、外と通信が行えたのではないか、という考えが脳裏を過ぎった。そもそも、彼以上の事を、ホテルマンは出来るような予感がしているのだ。
エルは、作り物の顔をしたホテルマンの横面を、後ろの三人に気付かれない程度にチラリと盗み見た。
「……本当のところは、どうなの?」
「……何が、でしょうか?」
「……さっきの説明。俺には、なんだか取ってつけたようにも聞こえた」
お互い白い世界を眺めたまま、囁く程度に言葉を交わした。
ホテルマンが、含み笑いに肩を震わせた。
「貴女には、嘘が付けませんねぇ。『遮断』は完全ではないですから、今こじ開けられてはマズイのですよ」
「だから通信を断ったの? それは、貴方にとって必要な事?」
「外にいる『彼ら』にとっては必要でしょう。建物内でちょっとしたトラブルに巻き込まれてしまいましたから、その関係上、ね」
彼は含むように答え、中途半端に言葉を切った。