「あはは、そんな非人道的な研究じゃないよ。方法までは知らないけど、とりあえずエリスの助言が参考になって実現出来たって事かな。なんというか、エリスとアリスは、ちょっと不思議な体質だったみたいだよ。えっと……――」

 そこで、スウェンが説明の言葉に詰まったように、思案顔で顎に手をやった。

「――う~ん、日本ではなんと言うんだろう? 夢の中で自由に動けたり、たまに未来を見ちゃったり、相手の夢に入ったりするのって?」
「……多分、『夢見』ってやつかな?」

 思い当たる単語を探り当て、エルは遠慮がちに答えた。スウェンを含む三人の男が、初めて知ったように「へぇ」と半ば感心の声を上げる。

 エルは、そこで素朴な当初の疑問に辿り着いた。

「皆、日本人じゃない……よね?」
「ん? 僕らは、れっきとしたアメリカ人だよ」
スウェンがさらりと言った。
「沖縄の基地でしばらく勤めて後は、フリーの何でも屋だけどねぇ。まぁ出身の部署がちょっと特殊だっただけに、名目は軍の外部機関なんだけど」
「俺と普通に話してるけど、日本語が達者なの?」