東洋人のガキは、やんちゃの度合いも可愛い奴らが多いが、俺のような欧米人だとそうはいかない。多分、爺さんにも手が負えないほどの、やんちゃ者になるだろう事が予想される。
そもそも、俺はガキが苦手だ。同情されるいわれはない。
まぁ俺とて、自分のガキが欲しくなかった訳ではなかった。俺にとっては、妻との静かな生活だけで充分だったのだ。子が望めない身体の彼女と、宣告されていた時間以上の年数を共に過ごせた。それ以上の、一体何を欲しがれというのだ?
ああ、そうだ。彼女との生活は、とても穏やかだった。
俺は裕福な幼少時代を過ごさなかったし、軍人学校でも、軍の教官として現役だった時代にも知らなかった、優しいほどの暖かな時間を彼女はくれた。
彼女は俺よりも年が上だったが、初めから子を産めない弱い身体だったってだけで、それの何が悪いってんだ?
誰もが彼女を必要としなかったが、俺は、そんな彼女の全てを愛しただけだ。
軍の中での立場や、好きなだけ騒いで若い女を抱ける生活よりも、俺は、彼女の傍にいる事を選んだ。何も特別な事ではなく、ただ俺が、そう決めただけの事だ。
あの爺さんは、変わり者だった。部落の連中が「異人だ」とよそよそしく距離を置く中、真っ先に俺を、自分の仕事や部落の行事に巻き込んだ。村の中でも、爺さんは変わり者だと言われていたが、そう評価する住民の目はどれも優しく、爺さんがどれだけ皆から愛されている人間であるのかも分かっていた。
爺さんとは長い付き合いになるが、――まぁ先に述べた内容でも分かるように、俺には、奴の考えている事はさっぱり理解出来ない。
そもそも、俺はガキが苦手だ。同情されるいわれはない。
まぁ俺とて、自分のガキが欲しくなかった訳ではなかった。俺にとっては、妻との静かな生活だけで充分だったのだ。子が望めない身体の彼女と、宣告されていた時間以上の年数を共に過ごせた。それ以上の、一体何を欲しがれというのだ?
ああ、そうだ。彼女との生活は、とても穏やかだった。
俺は裕福な幼少時代を過ごさなかったし、軍人学校でも、軍の教官として現役だった時代にも知らなかった、優しいほどの暖かな時間を彼女はくれた。
彼女は俺よりも年が上だったが、初めから子を産めない弱い身体だったってだけで、それの何が悪いってんだ?
誰もが彼女を必要としなかったが、俺は、そんな彼女の全てを愛しただけだ。
軍の中での立場や、好きなだけ騒いで若い女を抱ける生活よりも、俺は、彼女の傍にいる事を選んだ。何も特別な事ではなく、ただ俺が、そう決めただけの事だ。
あの爺さんは、変わり者だった。部落の連中が「異人だ」とよそよそしく距離を置く中、真っ先に俺を、自分の仕事や部落の行事に巻き込んだ。村の中でも、爺さんは変わり者だと言われていたが、そう評価する住民の目はどれも優しく、爺さんがどれだけ皆から愛されている人間であるのかも分かっていた。
爺さんとは長い付き合いになるが、――まぁ先に述べた内容でも分かるように、俺には、奴の考えている事はさっぱり理解出来ない。