「私は、現時点でこれ以上を話す事が出来ないのです。ですから今は、何も聞かないで下さい。この世界の住人として貴方達の力になりましょう。けれど、私は、まだ――」
ホテルマンの唇が微かに動いたが、離れて座るエルとセイジには、その先が聞こえなかった。
間近で耳にしたログとスウェンには聞きとれたのか、彼らは、顔を見合わせて怪訝な表情を浮かべた。
「おい、一体どういう事だ」
ログがホテルマンを問い詰めた時、地響きと共に建物全体が小刻みに揺れた。
その振動を足元に覚えながら西側の窓を見やったエルは、ハッとして「あれを見て!」と彼らに注意を促した。
日が沈み始めた西側の海に、マグマの化身のような、巨大な二体の怪物が出現していた。
西の海に見える光景を前に、エル達は、しばし言葉を失っていた。
形は人に近いが、身体中からマグマを噴き出しながら歩く姿は、驚異的で巨大な化け物だった。巨人のようなその怪物の窪んだ眼孔には、燃え続ける太陽に似た赤々とした光が灯っており、彼らが歩くたび、海上には強い蒸気が立ち昇っていた。
「あれは、この世界を守っていた最後の『番人』達です」
ホテルマンが、冷めた声色でそう言った。スウェンが振り返り、思い付いたように「あれか」と言葉を続ける。
ホテルマンの唇が微かに動いたが、離れて座るエルとセイジには、その先が聞こえなかった。
間近で耳にしたログとスウェンには聞きとれたのか、彼らは、顔を見合わせて怪訝な表情を浮かべた。
「おい、一体どういう事だ」
ログがホテルマンを問い詰めた時、地響きと共に建物全体が小刻みに揺れた。
その振動を足元に覚えながら西側の窓を見やったエルは、ハッとして「あれを見て!」と彼らに注意を促した。
日が沈み始めた西側の海に、マグマの化身のような、巨大な二体の怪物が出現していた。
西の海に見える光景を前に、エル達は、しばし言葉を失っていた。
形は人に近いが、身体中からマグマを噴き出しながら歩く姿は、驚異的で巨大な化け物だった。巨人のようなその怪物の窪んだ眼孔には、燃え続ける太陽に似た赤々とした光が灯っており、彼らが歩くたび、海上には強い蒸気が立ち昇っていた。
「あれは、この世界を守っていた最後の『番人』達です」
ホテルマンが、冷めた声色でそう言った。スウェンが振り返り、思い付いたように「あれか」と言葉を続ける。