「私、ここでは大人しくしておりますよ?」
「俺はな、初めてお前をホテルで見た時から、妙な違和感が消えねぇんだよ。それにな、お前の戦い方が、そこのクソガキにそっくりなのは、どういう事だ?」
ログは立ち上がると、正座するホテルマンに詰め寄り、見降ろした。
「お前は何者だ? この仮想空間で、あちこちに出現するエキストラなんて、お前以外いないだろ」
ホテルマンが小さく眉根を寄せたが、――不意に角を引き上げ、その雰囲気が変わった。
「……今、言わなければなりませんかねぇ? 大変申し訳ございませんが、貴方の都合で、『こちら側』の予定を狂わせる訳にはいかないのですよ」
「なんの為に?」
スウェンが、すかさず口を挟んだ。
「実は僕も、ずっと考えていたんだよ。さっき、君とエル君が同時に闘う姿を見て変だなと思った。一見すると戦い方は違うようだったけど、基本となる動きが全く一致していたからね。まるで同一の戦闘訓練を受けたか、写しみたいだったよ」
「よく見ておられますねぇ」
ホテルマンが、取ってつけたような笑顔で言った。馬鹿にするような物言いがログの逆鱗に触れたが、すぐにスウェンが目で牽制し「ここで話すと決めたのなら、辛抱なさい」と珍しく上官らしい言葉を告げた。
「俺はな、初めてお前をホテルで見た時から、妙な違和感が消えねぇんだよ。それにな、お前の戦い方が、そこのクソガキにそっくりなのは、どういう事だ?」
ログは立ち上がると、正座するホテルマンに詰め寄り、見降ろした。
「お前は何者だ? この仮想空間で、あちこちに出現するエキストラなんて、お前以外いないだろ」
ホテルマンが小さく眉根を寄せたが、――不意に角を引き上げ、その雰囲気が変わった。
「……今、言わなければなりませんかねぇ? 大変申し訳ございませんが、貴方の都合で、『こちら側』の予定を狂わせる訳にはいかないのですよ」
「なんの為に?」
スウェンが、すかさず口を挟んだ。
「実は僕も、ずっと考えていたんだよ。さっき、君とエル君が同時に闘う姿を見て変だなと思った。一見すると戦い方は違うようだったけど、基本となる動きが全く一致していたからね。まるで同一の戦闘訓練を受けたか、写しみたいだったよ」
「よく見ておられますねぇ」
ホテルマンが、取ってつけたような笑顔で言った。馬鹿にするような物言いがログの逆鱗に触れたが、すぐにスウェンが目で牽制し「ここで話すと決めたのなら、辛抱なさい」と珍しく上官らしい言葉を告げた。