このままではログが本格的に切れると判断したスウェンは、一つの策を考えまとめると、咳払いを一つしてエルの肩から手を離した。
「いいかい、君。僕たちは目的があって行動しているんだ。申し訳ないけれど、君の面倒は見られないよ」
「面倒なんてかけませんよ。お客様達のお世話も出来ますし、私は賢くて気遣いも礼儀マナーも完璧ですし、何より全くの無害! 猫ちゃん様のお世話だって完璧にこなせますよ」
実を言いますと、とホテルマンは心の籠らない口調で続けた。
「私は心細くて、不安で仕方ないのですよ。どうやら、ここは小さな村々が集まった広大な『街』らしいのですが、今は色々と不安定らしいのです。次の『街』へ渡るには【安定した聖なる土地】に行く必要があるのですが、途中で喰われてしまったり、場所によっては旅人が狩られてしまう事もあるらしいのです」
「それ、一体どういう事だい?」
スウェンが訊くと、ホテルマンは、心底頼りなさそうに目尻を下げ「ご存知ない?」と肩を落とし、口許に指をあてた。微妙な位置に腰をずらして、確認するように「本当にご存知ないのですか?」としつこく訊く。
ログが苛立ったように拳を振り上げたが、セイジが後ろから羽交い締めにして騒ぎを押さえた。
「いいかい、君。僕たちは目的があって行動しているんだ。申し訳ないけれど、君の面倒は見られないよ」
「面倒なんてかけませんよ。お客様達のお世話も出来ますし、私は賢くて気遣いも礼儀マナーも完璧ですし、何より全くの無害! 猫ちゃん様のお世話だって完璧にこなせますよ」
実を言いますと、とホテルマンは心の籠らない口調で続けた。
「私は心細くて、不安で仕方ないのですよ。どうやら、ここは小さな村々が集まった広大な『街』らしいのですが、今は色々と不安定らしいのです。次の『街』へ渡るには【安定した聖なる土地】に行く必要があるのですが、途中で喰われてしまったり、場所によっては旅人が狩られてしまう事もあるらしいのです」
「それ、一体どういう事だい?」
スウェンが訊くと、ホテルマンは、心底頼りなさそうに目尻を下げ「ご存知ない?」と肩を落とし、口許に指をあてた。微妙な位置に腰をずらして、確認するように「本当にご存知ないのですか?」としつこく訊く。
ログが苛立ったように拳を振り上げたが、セイジが後ろから羽交い締めにして騒ぎを押さえた。