「俺、ようやく『主』の『夢人』として、最後の大事な役目が果たせるよ。俺の中に、彼の魂の欠片が残っているんだ。だから俺は、行くべき場所へ向かわなければならない。それを、ようやく思い出す事が出来た」
「どこへ行くの……?」
エルが尋ねると、少年は「う~ん、どこといえばいいのかな」としばらく考えた後、困ったように笑った。
「ごめん、上手く説明出来そうにもないや。きっと、俺達にしか分からない場所へ、生まれ落ちた時から定められているままに辿りいくんだと思う。多分、俺はそれを語ってしまってはいけないし、物質世界で生きる人間は、俺達の世界を理解してしまう必要性は求められていないんだよ」
人が触れてはならない領域なのだと、少年は柔らかく説明してくれたようだった。本来なら、『宿主』の他は出会う事すらない存在なのだと、遠まわしに少しだけ牽制されたような気もした。
少年の胸元から、薄い硝子が、少しずつ崩れ落ちていくような音が聞こえていた。スウェン、ログ、セイジもその音に気付いたようだったが、少年の嘘に騙される振りを続けて、視線を合わせなかった。
「どこへ行くの……?」
エルが尋ねると、少年は「う~ん、どこといえばいいのかな」としばらく考えた後、困ったように笑った。
「ごめん、上手く説明出来そうにもないや。きっと、俺達にしか分からない場所へ、生まれ落ちた時から定められているままに辿りいくんだと思う。多分、俺はそれを語ってしまってはいけないし、物質世界で生きる人間は、俺達の世界を理解してしまう必要性は求められていないんだよ」
人が触れてはならない領域なのだと、少年は柔らかく説明してくれたようだった。本来なら、『宿主』の他は出会う事すらない存在なのだと、遠まわしに少しだけ牽制されたような気もした。
少年の胸元から、薄い硝子が、少しずつ崩れ落ちていくような音が聞こえていた。スウェン、ログ、セイジもその音に気付いたようだったが、少年の嘘に騙される振りを続けて、視線を合わせなかった。


