スウェンが、ようやく少年とログのもとへ追いついた。スウェンは、少年とログの足を捕まえると、少年の方に鋭い声で指示した。

「君ッ、下に何か柔らかい着地点を作るんだ!」
「海に柔らかい着地点なんてないよぉ! うわぁぁぁぁあああああん!」
「それでも『夢』の中の住人かい!? もっと創造力を働かせなよ!」

 セイジはクロエを抱えて、その様子を見守っていた。軍人である彼らは、だいたい経験しているのだろうから高所も格段苦手ではないのだろう。

 そう推測しながらも、エルは、意識を保つのがようやくだった。

 少年はその間にも、頭を抱えて打開策を考え続けていた。

「海に着地点って何ッ? 潜水艦とか軍艦!?」
「阿呆か! セイジはともかく、んなのに当たったら俺らはひとたまりもねぇぞ!」
「そうだね、身体が頑丈なセイジはともかく、僕らは彼みたいに、潜水艦を叩き割りながら着地する芸当はないからねぇ……」

 スウェンが、途端に困った笑顔を浮かべて冷静に述べた。