「そのぉ、『宿主』とは、力を持った『夢』を育てる事が出来る生物の事です。『宿主』が育てた夢を守るのが『夢人』で、俺達は大きな力の意思によって生まれ、一人で一つずつの『夢』を見守り、導く役割を担っています」
「だから、ハッキリさせろって。つまりお前らは。何の為に存在しているんだ?」

 理解する努力を投げ出したログが、仏頂面で腕を組んでそう告げた。セイジに関しては、質問も思いつかないほど困惑した表情で黙りこんでいた。

「だから、俺達『夢人』は、『生み出された夢』を守るんですよ。『主』の力や才能によっては、サポートに入る『夢人』の役割も異なって来るけれど……基本的に、守る事に変わりはないんです」

 少年は一旦言葉を切ると、一同を見渡した。理解されていない事を悟ると、頭を抱えて眉根を寄せた。

「……うーん、例えば、大きな木があるとします。木には大きな『力』が宿っていて、その枝先に花を咲かせて実らせる事でエネルギーを消費し、自身の力が世界の理を曲げてしまわないようになっているんです」

 身ぶり手ぶりを交えて、少年は、どうにか伝わるよう言葉を噛み砕こうと、悩ましげな表情で言葉を続けた。