「おじさん達がさっきから言っている支柱、という物は知らないけど、『主』には俺がいたから、あの機械に入れられても身体が残ったんじゃないか、とも思うんです」
「どういう事だい?」

 スウェンが比較的優しく訊くと、少年は少し考えてから、「実は」と続けて話した。

「あの変な機械は、『宿主』に反応するんじゃないかな、と思ったんです。『主』のご友人様は、『宿主』としての資質は持ち合わせていなかったし、機械から出て来られた人間を見る限り、皆誰かの『宿主』のようでしたから」
「えぇっと、君の言う『夢人』と『宿主』が、そもそも何なのか、念の為に訊いてもいいかい? 理解は出来ない可能性の方が高いけれど……」

 スウェンの戸惑いと困惑を見て取ると、少年が、自分の常識との相違に遅れて気付いたように、どこか呆れたように怪訝な表情を浮かべた。

「あなた達は、一体どこから来たんですか? ここへ来られた人間なのだから、俺はてっきり知っているものと思っていました」

 少年はやや愚痴ったが、ログに睨まれると、渋々身ぶり手ぶりを交えて説明し始めた。