その慌ただしい登場にエルが気付いた時、息を切らせたスウェンが、真っ先に彼女を見てこう叫んだ。
「エル君、その子を捕まえてくれ!」
「は……?」
訳が分からず、エルの口から思わず疑問附がもれた。
少年が「やべッ」と慌てて塀を飛び越え、その下の砂利道に身を躍らせた。ログが舌打ちし、少年の後を追って塀を飛び降りた。
戸惑うエルの脇を、セイジが、どこか申し訳なさそうな視線を一つ寄越して通り過ぎ、ログの後を追って塀を飛び越えていった。汗だくで息を切らせたスウェンが、エルの隣で呼吸を整えつつセイジを見送る。
「何、なんなの一体ッ、なんの騒ぎ!?」
「はぁ。――今の子が、どうやら支柱を持っているらしいんだ」
エルの視線を受け止めると、スウェンが疲弊した顔でそう続けた。彼は「僕らにも全く予想外でね」と言って、髪をかき上げた。
「あの子が支柱そのものなのか、支柱をどこかに持っているのかは不明だけれど、どうやらこのエリアの支柱は逃げ回れるようで、かれこれ三時間は追いかけっこが続いているよ」
「エル君、その子を捕まえてくれ!」
「は……?」
訳が分からず、エルの口から思わず疑問附がもれた。
少年が「やべッ」と慌てて塀を飛び越え、その下の砂利道に身を躍らせた。ログが舌打ちし、少年の後を追って塀を飛び降りた。
戸惑うエルの脇を、セイジが、どこか申し訳なさそうな視線を一つ寄越して通り過ぎ、ログの後を追って塀を飛び越えていった。汗だくで息を切らせたスウェンが、エルの隣で呼吸を整えつつセイジを見送る。
「何、なんなの一体ッ、なんの騒ぎ!?」
「はぁ。――今の子が、どうやら支柱を持っているらしいんだ」
エルの視線を受け止めると、スウェンが疲弊した顔でそう続けた。彼は「僕らにも全く予想外でね」と言って、髪をかき上げた。
「あの子が支柱そのものなのか、支柱をどこかに持っているのかは不明だけれど、どうやらこのエリアの支柱は逃げ回れるようで、かれこれ三時間は追いかけっこが続いているよ」