浴室の中にいたエルが、騒ぎに気付いて、細い肩越しに彼らを振り返った。
その顔に浮かぶ表情には、自身の裸体が見られた事に対する羞恥心はなかった。エルは三人の姿を認めると、怪訝そうな表情を浮かべ、真珠のような滑らかな肌に石鹸の泡を残したまま、バスタオルを無造作に身体に巻き付けて、一直線に出入り口までやって来た。
濡れた髪をかき上げ、完全に晒された顔は、紛う事も出来ないほど目鼻立ちの良い少女のものだった。
エルは、三人の前にやって来るなり、大きな瞳で男達を真正面から見据え、花弁のような形の良い唇をへの字に結んだ。
「――あのな。間違って開けたんなら、さっさと閉めろよ。外の空気が入って寒いだろうが」
彼女は、茫然と佇む三人に堂々と言い放つと、ピシャリと扉を閉めた。
セイジが、どうして良いのか分からない様子で、今にも泣きそうな顔をスウェンに向けた。スウェンは状況の整理が頭で追いつかず、困惑気味に頬をかいた。
「えっと……今のって、僕らが悪いの?」
スウェンの横で、ログが大きな溜息を吐き「阿呆が」とぼやいた。
その顔に浮かぶ表情には、自身の裸体が見られた事に対する羞恥心はなかった。エルは三人の姿を認めると、怪訝そうな表情を浮かべ、真珠のような滑らかな肌に石鹸の泡を残したまま、バスタオルを無造作に身体に巻き付けて、一直線に出入り口までやって来た。
濡れた髪をかき上げ、完全に晒された顔は、紛う事も出来ないほど目鼻立ちの良い少女のものだった。
エルは、三人の前にやって来るなり、大きな瞳で男達を真正面から見据え、花弁のような形の良い唇をへの字に結んだ。
「――あのな。間違って開けたんなら、さっさと閉めろよ。外の空気が入って寒いだろうが」
彼女は、茫然と佇む三人に堂々と言い放つと、ピシャリと扉を閉めた。
セイジが、どうして良いのか分からない様子で、今にも泣きそうな顔をスウェンに向けた。スウェンは状況の整理が頭で追いつかず、困惑気味に頬をかいた。
「えっと……今のって、僕らが悪いの?」
スウェンの横で、ログが大きな溜息を吐き「阿呆が」とぼやいた。