「生きていたんだから、いいじゃねぇか」
「まぁね」
スウェンは、ビール缶を膝の上に乗せると、ソファに背を預けた。
「確かに、この世界の時間経過が早いせいか、傷も早急に癒え始めている。だけど、腕に刺さった瓦礫の破片は、シャワーで洗い流すまで僕の腕についていたんだ。ハイソン君達の方で予測していたような、エリアを超える瞬間の『リセット論』は、一体どうなったんだろうね?」
彼らが持つ武器や備品は、エリアを超える毎に、使う前の状態へと戻るはずだったが、今回リセットは一切かかっていなかった。
疲労も時間経過も、先のエリアへと進むごとに心身に蓄積されていっている。だから、念の為セイジには、武器の調達に出てもらっていた。
元々、各エリアにそれぞれ存在している物は、エリア毎に指定された演出の小道具であるため、次のエリアまでは持ち込む事が出来なかった。そのルールに変化が訪れたのは、三番目のセキュリティー・エリアからで、調達した非常食は消えず、現地で追加購入していた予備の弾丸に関しても、次のエリアへ持ち込めてしまっていた。
別エリアで消費された体力と時間の経過間隔は、確実に身体への疲労感に直結している。実体を持ちこんでいないスウェン達が、仮想空間内で休養欲、睡眠欲を覚えるなど、本来であればあってはならない事のはずだった。
「まぁね」
スウェンは、ビール缶を膝の上に乗せると、ソファに背を預けた。
「確かに、この世界の時間経過が早いせいか、傷も早急に癒え始めている。だけど、腕に刺さった瓦礫の破片は、シャワーで洗い流すまで僕の腕についていたんだ。ハイソン君達の方で予測していたような、エリアを超える瞬間の『リセット論』は、一体どうなったんだろうね?」
彼らが持つ武器や備品は、エリアを超える毎に、使う前の状態へと戻るはずだったが、今回リセットは一切かかっていなかった。
疲労も時間経過も、先のエリアへと進むごとに心身に蓄積されていっている。だから、念の為セイジには、武器の調達に出てもらっていた。
元々、各エリアにそれぞれ存在している物は、エリア毎に指定された演出の小道具であるため、次のエリアまでは持ち込む事が出来なかった。そのルールに変化が訪れたのは、三番目のセキュリティー・エリアからで、調達した非常食は消えず、現地で追加購入していた予備の弾丸に関しても、次のエリアへ持ち込めてしまっていた。
別エリアで消費された体力と時間の経過間隔は、確実に身体への疲労感に直結している。実体を持ちこんでいないスウェン達が、仮想空間内で休養欲、睡眠欲を覚えるなど、本来であればあってはならない事のはずだった。