イエローのハーレーにはスウェンが跨り、サイドカーにはセイジが乗った。ブルーのハーレーに跨ったのはエルで、サイドカーに座ったのは、クロエが入ったボストンバックを抱えたログだった。
それぞれが揉める事もなく、自然な流れで運転手とサイドカー乗車とに別れたが、スウェンは一度だけ、チラリとエルを見やった。彼は、ギア車だが問題ないか、とエルに確認した。エルは大型二輪の免許までは取得している旨と、少し前までハーレーに乗る機会があった事を告げた。
二台は、耳に心地よいバイク音を響かせて国道を走り始めた。
走り出して数分後、少し癖のある単車の運転に慣れ出した頃、エルはふと我に返り、バイクの速度を緩めてログを睨み付けた。
「――おい。ちょっと待て」
「なんだ」
「なんで俺が運転手で、お前がそっちに座る訳ッ? あきらかにバランスがおかしくない!?」
「バイクの免許を持ってるんだろ。運転もバッチリ出来てんじゃねぇか」
「そういう問題じゃねぇよ。お前が先にそっちの方に乗るから、俺が自然と運転席に座っちゃったんだよッ」
それぞれが揉める事もなく、自然な流れで運転手とサイドカー乗車とに別れたが、スウェンは一度だけ、チラリとエルを見やった。彼は、ギア車だが問題ないか、とエルに確認した。エルは大型二輪の免許までは取得している旨と、少し前までハーレーに乗る機会があった事を告げた。
二台は、耳に心地よいバイク音を響かせて国道を走り始めた。
走り出して数分後、少し癖のある単車の運転に慣れ出した頃、エルはふと我に返り、バイクの速度を緩めてログを睨み付けた。
「――おい。ちょっと待て」
「なんだ」
「なんで俺が運転手で、お前がそっちに座る訳ッ? あきらかにバランスがおかしくない!?」
「バイクの免許を持ってるんだろ。運転もバッチリ出来てんじゃねぇか」
「そういう問題じゃねぇよ。お前が先にそっちの方に乗るから、俺が自然と運転席に座っちゃったんだよッ」