ログが欠伸を三度噛みしめ、スウェンが二回背中を伸ばし終わっても、訪れる者の気配はなかった。
セイジが落ち着きなく立ち上がり、入口に何度も目を向けながら右左へ足を動かせた。時々、彼はスウェンとログを盗み見ては、暇を持て余したように、自分の靴先へ視線を落とす。特に気にもならない靴の土埃を、意味もなく手で払ったりもした。
「でも、ちょっと安心したな」
セイジが、珍しく独り言をもらした。スウェンが「何がだい?」と反応すると、セイジは寛いで座り込む二人を振り返り、少しだけはにかんだ。
「エル君を置いていったりは、しないんだなと思って。だって、いつもなら任務には含まれない事だからといって、構わずに行ってしまうだろう?」
そう言って、セイジは少しだけ寂しそうに笑った。
現地でせっかく知り合えた友人や、協力者に別れも告げずに去っていった経験は、数え切れないほどあった。組織として活動していた頃、エリート軍人としての徹底教育を施されていなかったセイジは、特に辛い思いをした。彼が感情に揺らいで発言する意見など、誰も受け入れてはくれなかった。
セイジが落ち着きなく立ち上がり、入口に何度も目を向けながら右左へ足を動かせた。時々、彼はスウェンとログを盗み見ては、暇を持て余したように、自分の靴先へ視線を落とす。特に気にもならない靴の土埃を、意味もなく手で払ったりもした。
「でも、ちょっと安心したな」
セイジが、珍しく独り言をもらした。スウェンが「何がだい?」と反応すると、セイジは寛いで座り込む二人を振り返り、少しだけはにかんだ。
「エル君を置いていったりは、しないんだなと思って。だって、いつもなら任務には含まれない事だからといって、構わずに行ってしまうだろう?」
そう言って、セイジは少しだけ寂しそうに笑った。
現地でせっかく知り合えた友人や、協力者に別れも告げずに去っていった経験は、数え切れないほどあった。組織として活動していた頃、エリート軍人としての徹底教育を施されていなかったセイジは、特に辛い思いをした。彼が感情に揺らいで発言する意見など、誰も受け入れてはくれなかった。