「……どうしてかしら、どこを探しても『彼』はいないの。私の大切な人だったはずなのに、忘れてしまったのよ。ねぇ、あの子も、どこにいってしまったの? 私の、小さくて可愛いお友達も探せないでいるのよ。私、あと、どのぐらい待てばいい? ずっとずっと、私、独りぼっちだわ――」
ふと、少女の手から力が失われた。彼女の手から解放されたエルの身体が、闇の中を漂い、彼女との距離が次第に開けていった。
闇に取り残された少女は、一人うずくまり声を押し殺して泣き始めた。次第にその姿は曖昧になり、闇に溶けて消えそうになったが、最後に彼女は、エルを見上げてハッキリとこう告げた。
「助けて、※※※」
彼女は、エルの本当の名前を呼んだ。
その呼び声には聞き覚えがあって、エルは唐突に、忘れてはいけない約束があった事を思い出した。内容や経緯までは鮮明に出て来なかったが、一人の少女を救うために果たさなければならない事があると、ようやく思い出す事が出来た。
ふと、少女の手から力が失われた。彼女の手から解放されたエルの身体が、闇の中を漂い、彼女との距離が次第に開けていった。
闇に取り残された少女は、一人うずくまり声を押し殺して泣き始めた。次第にその姿は曖昧になり、闇に溶けて消えそうになったが、最後に彼女は、エルを見上げてハッキリとこう告げた。
「助けて、※※※」
彼女は、エルの本当の名前を呼んだ。
その呼び声には聞き覚えがあって、エルは唐突に、忘れてはいけない約束があった事を思い出した。内容や経緯までは鮮明に出て来なかったが、一人の少女を救うために果たさなければならない事があると、ようやく思い出す事が出来た。