豚の死体に薄らと書かれた『F』という青い字が、どうやら道導となっているようだった。二人はそれを頼りに出口を目指していた。アルファベットがどの言葉の略かは知らないが、それ以外に道標らしき物はない。
進む方向さえ見失わなければ、次の『F』の道標を見付けられる確率は高かった。
ここへ踏み入った時から方向感覚は狂ってしまっているが、進む先だけは間違えないよう、意識は強く持っていた。
「あ~、でもアレだな。セイジは器用じゃねぇから、この状況で探索も兼ねるとなると、ちとキツイかもな」
化け物との闘いに意識を向けていると、方向感覚が鈍くなってしまう。常に三、四つの事を考えながら戦うスウェンであれば問題ないが、指示者がいなければ、ログの方もとっくに迷子になってしまっていただろう。
次の『F』の記しを確認し、二人は駆け出した。
どうやら首のないあの怪物は、音に敏感に反応するらしい。構っている暇と体力はないので、化け物が足音に引き寄せられて襲いかかって来るたび、出来るだけ手短に始末するよう努めた。
進む方向さえ見失わなければ、次の『F』の道標を見付けられる確率は高かった。
ここへ踏み入った時から方向感覚は狂ってしまっているが、進む先だけは間違えないよう、意識は強く持っていた。
「あ~、でもアレだな。セイジは器用じゃねぇから、この状況で探索も兼ねるとなると、ちとキツイかもな」
化け物との闘いに意識を向けていると、方向感覚が鈍くなってしまう。常に三、四つの事を考えながら戦うスウェンであれば問題ないが、指示者がいなければ、ログの方もとっくに迷子になってしまっていただろう。
次の『F』の記しを確認し、二人は駆け出した。
どうやら首のないあの怪物は、音に敏感に反応するらしい。構っている暇と体力はないので、化け物が足音に引き寄せられて襲いかかって来るたび、出来るだけ手短に始末するよう努めた。