「私の事は『ホテルマン』とお呼び下さい。他に好きな名前があるのなら、そう呼んで頂いても結構です。なんなりとどうぞ!」
エルは、はぐらかされたような気がしたが、エキストラの名前の有無について今更ながら疑問を覚えた。もしかしたら、彼が自分の名前を持っていない可能性を、考えていなかったのだ。
ホテルマンに決まった名前がなく、ホテルマンとしてのエキストラ設定しかされていなかったとしたら、彼自身も名前について疑問を持っていない可能性だってあるだろう。
エルはそう考えて、一つ肯いた。
「そうだね。しばらくは『ホテルの人』か『ホテルマン』って呼ぶよ。俺の事は『エル』でいいよ」
すると、ホテルマンは「とんでもない」と胡散臭い笑顔で首を左右に振った。「お客様を呼び捨てに等出来ませんよ!」と言って、「わはははははは」と笑う。
「ウェッホン! それでは、どちらの方へ進むか考えましょうか。私達二人の能力値を考えても、難易度は低く設定されているはずですし――さ、まずは猫ちゃん様を探しましょう!」
「うんッ、まずはクロエだね!」
二人がそう意気込んだ時、停止していたはずのベルトコンベアーが、鈍い音を立てて稼働した。
エルは、はぐらかされたような気がしたが、エキストラの名前の有無について今更ながら疑問を覚えた。もしかしたら、彼が自分の名前を持っていない可能性を、考えていなかったのだ。
ホテルマンに決まった名前がなく、ホテルマンとしてのエキストラ設定しかされていなかったとしたら、彼自身も名前について疑問を持っていない可能性だってあるだろう。
エルはそう考えて、一つ肯いた。
「そうだね。しばらくは『ホテルの人』か『ホテルマン』って呼ぶよ。俺の事は『エル』でいいよ」
すると、ホテルマンは「とんでもない」と胡散臭い笑顔で首を左右に振った。「お客様を呼び捨てに等出来ませんよ!」と言って、「わはははははは」と笑う。
「ウェッホン! それでは、どちらの方へ進むか考えましょうか。私達二人の能力値を考えても、難易度は低く設定されているはずですし――さ、まずは猫ちゃん様を探しましょう!」
「うんッ、まずはクロエだね!」
二人がそう意気込んだ時、停止していたはずのベルトコンベアーが、鈍い音を立てて稼働した。