四方の壁には、雑巾やテーブル用布巾、デッキブラシやホース、ゴム手袋やシートなども用意されていた。物が敷き詰められた工場室内は、整頓されていながら散らかっている、という印象を受けた。
二人が到着した場所は、どうやら使い古された工場の一室のようだ。いくどとなく磨き上げられた銀色の台や機械には、細かい傷が模様のような線を描いて、照らし映えの良くない蛍光灯の下で鈍く反射していた。ゴムホースも一部が変色し、作業台の隅には落ちない汚れが浮いている。
「食肉の、加工場ですかねぇ……?」
うちのホテルにもありましたよ、小さいタイプでしたが、とホテルマンが感想を述べた。
室内に立ちこめるアルコール消毒液と、生臭い食用肉の匂いが独特だった。冷房が効いているせいか、やや肌寒い。現実世界ではないのに、三番目のセキュリティー・エリアと違って、やけにリアルだなとエルは疑問を覚えた。
室内には、向かい合うお粗末な出入り口と、荷物を上げ降ろす為の小ぶりな運搬用エレベーターが備え付けられていた。左右どちらの出入り口に進めばいいのか、しばらく考えてみても見当がつかない。
二人が到着した場所は、どうやら使い古された工場の一室のようだ。いくどとなく磨き上げられた銀色の台や機械には、細かい傷が模様のような線を描いて、照らし映えの良くない蛍光灯の下で鈍く反射していた。ゴムホースも一部が変色し、作業台の隅には落ちない汚れが浮いている。
「食肉の、加工場ですかねぇ……?」
うちのホテルにもありましたよ、小さいタイプでしたが、とホテルマンが感想を述べた。
室内に立ちこめるアルコール消毒液と、生臭い食用肉の匂いが独特だった。冷房が効いているせいか、やや肌寒い。現実世界ではないのに、三番目のセキュリティー・エリアと違って、やけにリアルだなとエルは疑問を覚えた。
室内には、向かい合うお粗末な出入り口と、荷物を上げ降ろす為の小ぶりな運搬用エレベーターが備え付けられていた。左右どちらの出入り口に進めばいいのか、しばらく考えてみても見当がつかない。


