エルは、ログと共に慌てて壁に手をあてがったが、入口はどこにも見付けられなかった。押して蹴っても、頑丈な壁はピクリとも反応してくれない。
壁に手をあてたスウェンが、片方の手で額を押さえて「まいった……」と苦々しくこぼした。
「……まさか、不意打ちを食らうとは」
「……お前、昔から変わらねぇな。あいつの事、ちょっと甘やかしすぎなんじゃねぇのか?」
ログが心底呆れた眼差しを向けた先で、スウェンが「申し訳ない」と項垂れながら、両手で顔を覆い「だって」と弁明し始めた。
「仕方ないじゃないか。セイジは一番手がかかる子だったんだよ。確かに利口ではあるけれど、ちょっと抜けているところがあるし、おっちょこちょいなとこもあるし、よく騙されるし……ちょっとだけ、つい『大丈夫かな』って、そう思ってしまったんだよ」
「おいおい、しっかりしろよ、スウェン隊長。あいつは、いつでも平気な顔で突破して来ただろうが。メンバーの中じゃ一番丈夫で、スタミナもガッツもあるし何より強運なんだ」
壁に手をあてたスウェンが、片方の手で額を押さえて「まいった……」と苦々しくこぼした。
「……まさか、不意打ちを食らうとは」
「……お前、昔から変わらねぇな。あいつの事、ちょっと甘やかしすぎなんじゃねぇのか?」
ログが心底呆れた眼差しを向けた先で、スウェンが「申し訳ない」と項垂れながら、両手で顔を覆い「だって」と弁明し始めた。
「仕方ないじゃないか。セイジは一番手がかかる子だったんだよ。確かに利口ではあるけれど、ちょっと抜けているところがあるし、おっちょこちょいなとこもあるし、よく騙されるし……ちょっとだけ、つい『大丈夫かな』って、そう思ってしまったんだよ」
「おいおい、しっかりしろよ、スウェン隊長。あいつは、いつでも平気な顔で突破して来ただろうが。メンバーの中じゃ一番丈夫で、スタミナもガッツもあるし何より強運なんだ」