スウェンが吐息をこぼし、歩き出した。彼の後に続くように一同は扉へと向かうと、ログがスウェンに目配せをして、金のドアノブを握った。
扉は、カチリと小さな音を立てて、亡霊が廊下を過ぎゆくような滑らかさで開いた。扉の向こうには、赤と金の色が入った絨毯が敷かれた長い廊下が続いており、同じ色と柄をした壁には、蝋燭の光りが揺れていた。
蝋燭だけで照らし出された廊下は薄暗く、見通しが悪かった。天井も床と同じ色で、歪んだダイヤ形の模様をした金と赤は、見ているだけで眩暈を覚えた。
扉の向こうをしばらく眺めていたスウェンが、愛想笑いも浮かべずに少年を振り返った。
「君は、僕たちが何を目的としてここへ来たのか、本当は知っているんじゃないのかい?」
「さあ、僕はただの案内係りですから」
少年は作り笑いで応えた。
スウェンが「ふうん」とぼやき、ふと苦笑を浮かべた。
「――君を見ていると、どうも違和感が抜けなくてね。君は僕の知っているエキストラや駒とも違う、少し特殊な位置にいる配役なのではないかと、そう思ったんだけれど」
話すスウェンの意図はまるで分からなかったが、エルは黙って見守っていた。セイジとログも考えている事があるのか、探るような眼差しで少年を見つめていた。
不意に、少年が小さな唇に、大きな弧を描いた。
扉は、カチリと小さな音を立てて、亡霊が廊下を過ぎゆくような滑らかさで開いた。扉の向こうには、赤と金の色が入った絨毯が敷かれた長い廊下が続いており、同じ色と柄をした壁には、蝋燭の光りが揺れていた。
蝋燭だけで照らし出された廊下は薄暗く、見通しが悪かった。天井も床と同じ色で、歪んだダイヤ形の模様をした金と赤は、見ているだけで眩暈を覚えた。
扉の向こうをしばらく眺めていたスウェンが、愛想笑いも浮かべずに少年を振り返った。
「君は、僕たちが何を目的としてここへ来たのか、本当は知っているんじゃないのかい?」
「さあ、僕はただの案内係りですから」
少年は作り笑いで応えた。
スウェンが「ふうん」とぼやき、ふと苦笑を浮かべた。
「――君を見ていると、どうも違和感が抜けなくてね。君は僕の知っているエキストラや駒とも違う、少し特殊な位置にいる配役なのではないかと、そう思ったんだけれど」
話すスウェンの意図はまるで分からなかったが、エルは黙って見守っていた。セイジとログも考えている事があるのか、探るような眼差しで少年を見つめていた。
不意に、少年が小さな唇に、大きな弧を描いた。