「ゲームの内容ってのは、どうなんだ。俺たちは何も知らされないまま来て、お題を出すのは工場側だろ。参加者には不利なんじゃないのか?」

 ログが、口をへの字に曲げてそう言った。

 すると、少年が口許に微笑を浮かべたまま、「いいえ」と答えた。

「ご安心ください。『審査の回廊』にて、当工場側で、各参加者様のレベルを測定させて頂き、必ずクリア出来るフェアなゲーム設定を行わせて頂いております。――但し、当ゲームに参加するにあたっては、参加者様の持ち物の中から一番大事だと思う物を、ゲームのスタート時に隠させて頂きますので、ご了承下さい」
「待ってくれ。つまり、このゲームに参加する為には、今僕らが持っている物の中から、一つ、工場側に預けなければならないということかな?」

 スウェンが、あまり宜しくないというように眉を顰め、腰に手を当てて質問した。

「預かるのではなく、会場内に隠させて頂くのです。こちらから提供させて頂く商品については、形があれば限りがありません。手に入れて頂くというゲームの中で、隠されてしまった所持品も同時に探して頂くイベントを盛り込む事で、フェアになるよう設定させて頂いております」