「どうして、そんな事が分かるの?」
「いったでしょ、この世界で僕は『歪み』を認識出来るし、解かってしまうものは解かってしまうのだから、しょうがないよ。――まぁ、僕がこの手のゲームをよく知っている事もあるけれど」

 スウェンは、可笑しそうに言った。

「まぁ、僕が支柱の起こす世界について、ちょっとした法則性を見付けてしまったせいもあるかな。つまり、ここは『夢』であり、『記憶』が使われている。それは対象の人間が抱えていた悪夢と相性が良いような気がして、そうすると自ずと予測がついてしまうというか」

 最後は言葉を濁すように、スウェンが視線をそらしながら言葉を切った。

 エルは、スウェンが先程、自分達が少し特殊な人間なのだと語っていた事を思い出した。一種の飛び抜けた勘というか、謎を早々に解いて理解する才能も、極めれば特殊能力になるのだとすると、もしかしたらスウェンの場合は、少ない情報で全体像を掴み、すべてを正確に把握してしまう能力でもあるのかもしれない、とも思えた。